パート勤務を始めて、勤務時間や給与などの条件を満たしているはずなのに、受け取った保険証が社会保険ではなく国民健康保険だったというケースは意外と多く見られます。本記事では、社会保険の加入条件や適用までの流れ、国民健康保険が発行される理由などをわかりやすく解説します。
社会保険の加入条件を改めて確認
社会保険(健康保険・厚生年金)に加入するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収が88,000円以上(年収106万円以上見込み)
- 雇用期間が2か月を超える見込み
- 従業員が常時101人以上の企業に勤務
- 学生ではない
これらを満たしていれば、原則として会社が社会保険に加入させる義務があります。
国民健康保険になってしまう原因
条件を満たしているのに国民健康保険証が届いた場合、以下のような原因が考えられます。
1. 社会保険加入の手続きがまだ完了していない
企業が社会保険の手続きを完了するには、書類提出や審査など一定の時間がかかります。保険証の発行には1〜2週間かかることもあります。
2. 試用期間中の除外
一部の企業では、試用期間中は社会保険に加入させない方針をとっている場合があります。ただし、2022年の法改正により、試用期間中でも加入条件を満たせば原則加入対象とされています。
3. 短期契約の影響
5月末までの短期雇用と6月からの本採用が連続している場合でも、「通算」ではなく「新規契約」として扱われることがあり、そのため加入時期にズレが生じることがあります。
どのタイミングで社会保険に切り替わるのか
実際に社会保険が適用されるのは、企業が加入手続きを行い、健康保険組合もしくは協会けんぽによる審査が完了した後です。多くの場合、就労開始月の翌月1日からの適用となることが一般的です。
6月から本採用となっている場合は、7月1日付けで社会保険適用となり、7月中旬〜下旬にかけて保険証が届く流れになることが多いです。
自分が社会保険に加入しているか確認する方法
不安な場合は、以下の方法で確認できます。
- 会社の人事・総務担当に確認する
- 給与明細で健康保険・厚生年金の控除があるかを見る
- 年金事務所や健康保険組合に問い合わせる
給与から健康保険料が引かれていれば、すでに社会保険に加入している可能性が高いです。
会社側の義務と本人の対応
条件を満たしているのに会社が社会保険に加入させていない場合、会社側には法的義務があります。未加入が故意であれば是正勧告や罰則の対象になることもあります。
従業員側としては、社内での確認と、必要に応じて労働基準監督署や年金事務所に相談することが重要です。
まとめ:国保から社保へ切り替えのタイミングを把握しよう
社会保険の加入条件を満たしているのに国民健康保険証が届いた場合は、手続きの遅れや制度上のタイムラグが原因のことが多いです。慌てずに、会社や関係機関に状況を確認しましょう。
試用期間や短期契約の有無などにもよりますが、多くのケースでは就労開始月の翌月から社会保険に切り替わることになります。届くまでは国民健康保険を一時的に使用し、後日精算することも可能です。
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