生活保護を受給している方や、その家族の中には「確定申告の際に生活保護費を申告する必要があるのか」と不安に思う方も多いかもしれません。本記事では、生活保護費の税法上の扱いについて詳しく解説し、安心して確定申告を行うための情報を提供します。
生活保護費は非課税であり、確定申告の対象外
結論から言うと、生活保護費は所得税法上「非課税所得」とされており、確定申告の際に収入として計上する必要はありません。これは、生活保護法第11条「要保護者に対して必要な保護を行う」ことを根拠に、福祉目的で支給されているからです。
具体的には、生活扶助や住宅扶助、医療扶助など、生活保護制度に基づいて自治体から支給される各種費用が該当します。
収入に含めてはいけないケースとは
確定申告書や青色申告決算書などで「収入金額等」の欄に生活保護費を記載してしまうと、余計なトラブルや誤認が生じる可能性があります。収入として計上してしまうと、課税対象と誤解され、税金や国保料などの不利益を受ける恐れがあるため注意が必要です。
税務署や市区町村への確認も可能ですが、原則として非課税であるため、報告義務はありません。
収入申告が必要になるケースもある?
生活保護を受けつつも、アルバイトや副業などで収入がある場合、それは「収入申告」の対象となります。
たとえば以下のようなケースでは、収入が発生した月ごとに役所へ報告が必要です。
- 日雇いや短期アルバイト
- フリマアプリ等での販売利益
- 原稿料や講演料などの臨時収入
これらは「生活保護費」とは別枠で収入と見なされます。税務申告が必要かどうかは、その金額と収入の種類によって判断されます。
医療費控除やふるさと納税との関係性
生活保護受給者でも、過去に税金を納めていた場合などで医療費控除の申請やふるさと納税をしたことがある方は、確定申告が必要になる場合があります。
ただし、この場合でも生活保護費はあくまで非課税ですので、申告書に含めないよう注意しましょう。
自治体への報告と税務署との違いに注意
生活保護に関する「収入申告」は自治体(福祉事務所)に対して行うものであり、税務署への確定申告とは異なる手続きです。
そのため、「収入の申告が必要=税務署への確定申告が必要」とは限らない点に注意しましょう。
まとめ:生活保護費は確定申告不要、収入には含めない
生活保護費は法的に非課税のため、確定申告では「収入」に含める必要はありません。別途の所得がある場合を除き、申告義務は発生しないと考えて問題ありません。
収入の有無や状況に不安がある場合は、市区町村の福祉担当窓口や税務署に個別相談するのが安心です。誤って申告してしまうと不利益を受ける可能性があるため、正確な情報に基づいて手続きを行いましょう。
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