初めてアルバイトの給料を受け取ったとき、「稼いだ額よりも手取りが少ない」と感じた人は多いでしょう。中でも、健康保険や厚生年金などの社会保険料が多く引かれていると驚きます。この記事では、月7万円のバイト代から約3万円引かれるケースについて、その仕組みと正当性を詳しく解説します。
社会保険料はどのように決まるのか?
健康保険や厚生年金などの社会保険料は、基本的に「標準報酬月額」に応じて計算されます。これは会社が提出する報酬月額を基準にして、都道府県や保険組合によって定められた保険料率を乗じて決まります。
たとえば、厚生年金保険料は約18.3%(労使折半で9.15%ずつ)、健康保険料も都道府県によって異なりますが約9~10%程度が一般的です。
アルバイトでも厚生年金や健康保険に加入する条件
以下の条件を満たすと、アルバイトでも社会保険の加入義務が発生します。
- 週の労働時間が正社員の4分の3以上(約30時間以上)
- 勤務先が常時501人以上の企業(条件により101人以上や51人以上も対象)
- 月額収入が8.8万円以上(2024年度時点)
- 2か月以上の雇用見込み
このような条件を満たす場合、正社員と同様に健康保険と厚生年金に加入する必要があります。
7万円の給与で3万円の天引きは妥当?
月収7万円で約3万円引かれた場合、保険料率を単純計算すると約43%にもなり、かなり高額に感じます。ただし、これは一時的な保険料の見積もり、または住民税や雇用保険料が含まれている可能性もあります。
また、新社会人の場合、月途中での加入や前月分の保険料がまとめて差し引かれたケースなども考えられます。給与明細をよく確認し、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「所得税」などがどう引かれているのかチェックしましょう。
社会保険は本当に損なのか?
天引きされる金額が大きいため、「損をしているのでは?」と感じるかもしれません。しかし、社会保険に加入していると以下のような恩恵があります。
- 医療費が3割負担になる
- 出産手当金や傷病手当金が受けられる
- 老後に年金がもらえる(厚生年金は将来の年金額が多くなる)
- 失業時に失業手当が支給される(条件あり)
将来を見据えると、決して無駄な出費ではありません。
不当かどうかを判断するためのポイント
引かれた金額が妥当かどうかを判断するには、以下の点をチェックしましょう。
- 給与明細を確認して「控除内訳」が明示されているか
- 勤務時間と勤務日数から保険加入基準に該当しているか
- 勤務先に「どの保険に加入しているか」を確認する
もし不明点があれば、労働基準監督署や年金事務所に相談するのも良い方法です。
まとめ:アルバイトでも保険料の天引きは正当な場合が多い
月収が少ない中での保険料の天引きは痛手ですが、多くの場合、法律に基づいて正しく徴収されています。まずは自分の勤務状況と保険加入の条件を照らし合わせ、疑問点は会社や公的機関に確認することが大切です。
将来の安心のために支払っているものと考え、制度を正しく理解することが損をしない第一歩です。
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