体調が不安定だったり、病気やケガの療養中でフルタイム勤務が難しいという状況は、誰にでも起こり得ます。そんなときに「働いてもいいけど、制度の支援が受けられなくなるのでは」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。本記事では、短時間就労や就労制限がある人でも利用できる制度や保険について、具体例を交えて解説します。
傷病手当金:休職中の主な支援制度
会社員や被用者保険に加入している人は、病気やケガで働けないときに「傷病手当金」を受け取れる可能性があります。条件としては、連続して3日間以上仕事を休み、4日目以降も就業できない場合です。
支給額は、標準報酬日額の約3分の2程度が最長1年6ヶ月まで支給されます。ただし「働いた日」があるとその日は対象外になるため、短時間勤務を始めると支給調整がかかる可能性があります。
就労しながら受け取れる制度:障害年金や自立支援医療
就労しているかに関わらず、症状が一定の基準に達していれば「障害年金」を受給できることがあります。これは病気の種類に関係なく、生活や就労に支障があるかが評価対象です。
また、「自立支援医療(精神通院)」は精神疾患などで通院している人の医療費を1割負担に抑える制度で、所得制限があるものの就労中でも利用可能です。
収入と支援制度のバランスに注意
「中途半端に働くと損」という懸念は一部正しく、たとえば失業給付や生活保護などの制度では、就労収入があると支給額が減額されるケースがあります。
一方、就労していても減額されない制度(例:障害年金や自立支援医療)もあり、働ける範囲で無理せず、支援制度と併用することが重要です。
民間保険の活用:就労不能時に備える
民間の「就労不能保険」や「所得補償保険」は、病気やケガで働けなくなった場合に毎月一定額を受け取れるタイプの保険です。
加入時の健康状態が問われるため、すでに病気がある方は難しい場合もありますが、就労不能のリスクがある人にとっては備えとなり得ます。
実際の事例:うつ病で休職しながら支援を受けたAさん
うつ病で長期休職していたAさんは、傷病手当金を1年近く受給しながらリワークプログラムに参加。その後、復職に向けて短時間勤務を開始し、少しずつ勤務時間を増やしていきました。
このように、制度を活用することで、無理なく社会復帰する流れを作ることが可能です。
まとめ:働ける時間に応じた制度選択がカギ
病気や体調不良でフルタイム勤務が難しいときには、無理に働きすぎず、国の支援や保険制度を上手に活用することが重要です。
「働いたら損」ではなく、「自分にとって最適な働き方と支援のバランス」を見極めましょう。不明点は地域のハローワークや社会保険労務士に相談するのも有効です。
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