会社で社会保険に加入する際、「いつから資格が発生するのか」「手続きは何日に行えばいいのか」など、加入時期や手続きにまつわる疑問を持つ人は少なくありません。今回は、社会保険の資格取得日と手続きタイミングの関係を詳しく解説します。
社会保険の資格取得日は原則「入社日」または「要件を満たした日」
社会保険(健康保険・厚生年金保険)の資格取得日は、原則として勤務開始日(入社日)、もしくは週所定労働時間・日数などの加入条件を満たした日とされています。たとえば、8月1日から社会保険の対象者となった場合、資格取得日も8月1日になります。
これは、実際に保険証の交付日や会社側の手続きのタイミングとは無関係に、「社会保険のルール上決まっている日付」です。
手続きが遅れても資格は「さかのぼって」付与される
「5日に税理士に手続きを依頼する」と聞くと、「それ以降が資格日になるのでは?」と思ってしまうかもしれません。しかし、社会保険の制度では事務手続きが後日であっても、実際に資格を得た日にさかのぼって保険加入が認められる仕組みになっています。
したがって、8月1日付で加入要件を満たしていれば、たとえ申請が8月5日になったとしても、資格取得日は8月1日になります。
「事務処理日=資格取得日」ではない点に注意
社会保険の加入手続きでは、事業所(会社)や税理士が行う届出と、資格そのものの取得日は別で考える必要があります。届出書に記載された「資格取得日」が重要であり、それが保険証の効力発生日にも直結します。
保険証が届くタイミングには数日から1週間程度の差がありますが、資格は取得日から有効であるため、医療費の払い戻し請求も可能です。
例:8月1日加入予定で5日に手続きしたケース
ケース例: 8月1日に正社員として勤務を開始し、社会保険の加入対象となったが、会社は税理士に8月5日に手続きを依頼した。
この場合: 資格取得日は8月1日となり、8月1日から社会保険の対象者として扱われます。手続きが5日であっても資格の有効性には影響しません。
加入時の注意点とやるべきこと
- 加入時期は給与明細で確認できます。社会保険料の控除開始月を見ておくとよいでしょう。
- 会社や税理士が加入手続きを済ませた後、「健康保険被保険者証(保険証)」や「年金手帳」が交付されます。
- 病院での受診が必要になった場合、手続き完了前でも、後日還付請求をすることが可能です。
もし1ヶ月以上経っても書類が届かない、または手続きが進んでいないようであれば、会社の担当者に確認しましょう。
まとめ|資格取得日は「制度上の基準日」で決まる
社会保険の資格取得日は、会社側が手続きを行う日ではなく、加入条件を満たした日(たとえば就職日)にさかのぼって発生するのが基本です。手続きが5日であっても、8月1日から保険が適用されるという点を覚えておきましょう。
疑問がある場合は、日本年金機構や会社の労務担当者に確認することをおすすめします。
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