2024年から健康保険証が段階的に廃止され、マイナンバーカードに一本化される方向にありますが、「マイナ保険証」になったからといって保険加入手続きが不要になるわけではありません。特に退職後の保険切り替えには注意が必要です。
マイナ保険証とは?健康保険証の代替ではない
マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「マイナ保険証」は、あくまで保険資格情報の読み取りツールです。つまり、マイナンバーカードがあるからといって、自動的に保険に加入したことにはなりません。
そのため、退職などで会社の社会保険を喪失した場合は、自分で新たに健康保険(国民健康保険や任意継続など)へ加入手続きを行う必要があります。
退職後の健康保険の選択肢
退職後に選べる保険の選択肢は主に以下の2つです。
- 任意継続被保険者制度(最大2年)
- 市区町村の国民健康保険に加入
任意継続は、今までの保険を2年間そのまま使える制度で、保険料は全額自己負担になります。手続きは退職後20日以内に行う必要があります。
それを過ぎる、あるいは希望しない場合は、住民登録地の役所で国民健康保険の加入手続きが必要です。
マイナンバーカードだけで病院に行けるのか?
確かにマイナンバーカードを病院で読み取らせることはできますが、その中に有効な保険情報が登録されていなければ、全額自己負担になります。
つまり、退職後に新たな保険に加入していない状態でマイナ保険証を提示しても、「無保険」として扱われる可能性があります。
手続きしないとどうなる?
保険手続きをしないまま病院にかかった場合、いったん全額自己負担になります。後から保険加入が確認できれば、一部の金額は払い戻しされますが、医療費の立替や手続きが煩雑になるため、早めの手続きをおすすめします。
特に退職後すぐの期間に病気やケガをした場合、無保険状態はリスクが大きくなります。
実例:マイナ保険証だけでは医療費が高額に?
たとえばAさんは、退職後に保険手続きを忘れて、マイナ保険証だけで病院を受診しました。その場ではマイナカードを通しても資格が確認できず、医療費が3割負担にならずに全額請求されてしまいました。
後日、市役所で国民健康保険に加入し、病院に再度申請して差額を返してもらえましたが、多くの書類と時間がかかりました。
まとめ:マイナカードと健康保険は別物。退職後の手続きを忘れずに
退職によって会社の健康保険を失った場合、マイナンバーカードだけでは医療費をカバーできません。必ず、任意継続または国民健康保険の加入手続きを行いましょう。保険の加入状態がマイナ保険証に反映されることで、スムーズな医療受診が可能になります。
保険制度とマイナンバー制度を正しく理解して、無保険リスクを回避しましょう。
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