育児休業給付金を受け取れる?雇用保険再加入と“みなし被保険者期間”の特例を徹底解説

社会保険

育児休業給付金を受け取るには「被保険者期間が12か月以上」などの条件を満たす必要がありますが、事情により一度雇用保険を脱退した場合、どのように再加入・調整すれば対象となるのでしょうか。本記事では、特に「産前休業開始日前2年間」の特例を使って給付金の権利を得る方法を、実例とともに詳しく解説します。

📌基本条件:育児休業給付金の支給要件

育児休業給付金を受け取るためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 育児休業開始日前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上
  • 1か月あたりの勤務日数が11日以上または所定労働時間80時間以上

支給単位は“月単位”で判定され、賃金支払基礎日数11日以上で1カ月分とカウントされます。

📅特例:産前休業開始日を起点とする「2年さかのぼり」

2022年の法改正により、産前産後休業を取得する場合に限り、「産前休業の開始日を起点とした2年間」でカウントできる特例が設けられています(被保険者期間特例)。

今回のケースでは、産前休業開始予定が2025年12月22日。つまり、2023年12月22日〜2025年12月21日までの間に12ヶ月以上の被保険者期間があれば、給付金の支給対象になります。

🧮ハローワークの計算例と“空白期間”の扱い

今回の事例では、2023年12月〜2024年7月中旬までは雇用保険に加入していたとのことで、最大で7ヶ月分がカウントされます。

また、再加入を2025年7月1日付とすれば、7月〜12月で最大6ヶ月のカウントが可能で、合計13ヶ月分となり要件をクリアできる見込みです。

ただし、有給や出勤日数の関係で月11日未満となった場合は対象外となるため、労働日数の調整が重要です。

✅産休開始日を“12月31日”にするメリットと注意点

産休開始予定を本来の12月22日から12月31日まで遅らせることで、12月も1か月分の被保険者期間としてカウントできます。

この場合、

  • 7月〜12月=6ヶ月
  • 2023年12月〜2024年7月=最大7ヶ月

合計13ヶ月となり、育児休業給付金の支給要件を満たす可能性が高くなります。

なお、有給休暇を活用する形でも「雇用保険に加入していて賃金支払いがある月」としてカウントされるため、戦略的に有給を使うことが有効です。

👶“出産育児一時金”との違いにも注意

なお、育児休業給付金とは別に、健康保険から支給される「出産育児一時金(50万円程度)」は、健康保険加入中であれば受給でき、雇用保険とは別制度です。

今回のようなケースでは、雇用保険の再加入を確実に行い、給付対象期間を丁寧に埋めることが何より重要です。

まとめ

育児休業給付金の受給には、「産前休業開始日前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間」が必要です。今回のように一時的な脱退があっても、再加入を早期に行い、12月末まで就労・有給取得で調整すれば給付対象となる可能性は十分にあります。正確な判断は、ハローワークや社労士との相談を通じて確認しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました