賞与の社会保険料はどう決まる?等級ではなく実額課税に注意しよう

社会保険

ボーナス(賞与)を受け取るとき、給与とは異なる方法で社会保険料が計算される点を理解しておくことは、正しい資金計画に役立ちます。本記事では、賞与にかかる社会保険料の計算方法をわかりやすく解説します。

賞与と給与の社会保険料の違い

給与の社会保険料は「標準報酬月額表」に基づいて等級制で計算されますが、賞与に関しては異なり、実際の支給額に基づいて保険料が課されます。等級表を使って計算するわけではありません。

例えば、給与では月収が195,000円なら「標準報酬月額等級19等級」に該当し、その等級に定められた保険料率が適用されますが、賞与は200,000円ならそのまま200,000円に対して保険料率を掛けて算出します。

実際の計算方法:支給額×保険料率

社会保険料には、健康保険、厚生年金保険、介護保険(対象者のみ)などが含まれます。賞与については、以下の手順で計算します。

  • 賞与の支給額を確認(例:200,000円)
  • 各保険の「賞与に対する保険料率」を確認(健康保険:9.84%、厚生年金:18.3%など ※例)
  • 保険料率を支給額に掛け算し、各保険の保険料を算出

例えば200,000円の賞与に健康保険9.84%、厚生年金18.3%を適用すると、本人負担分は健康保険9,840円、厚生年金18,300円(それぞれ半額)になります。

保険料がかからない上限にも注意

賞与の保険料計算には「標準賞与額」の上限があります。2024年時点での上限額は以下の通り。

  • 健康保険:1回の支給あたり573万円
  • 厚生年金:1年間の累計で1,500万円まで

これを超えた部分には保険料はかかりませんが、一般的な額では上限に届くケースはまれです。

賞与にかかる税金との違い

社会保険料と混同しがちなのが「所得税」です。賞与の所得税は、支給額と直近の月額給与をもとにした「賞与に対する源泉徴収税額表」に従って計算されます。これは社会保険料とは完全に別のルールになります。

また、住民税は賞与からは直接引かれず、翌年の住民税額に含まれます。

賞与明細の見方と注意点

賞与明細書には、各保険料の控除額が明記されているので確認しておきましょう。記載項目例。

  • 支給額(200,000円)
  • 健康保険料控除(例:9,840円)
  • 厚生年金保険料控除(例:18,300円)
  • 源泉所得税(税率により変動)

会社によっては加入している健康保険組合により保険料率が異なるため、明細書や就業規則を確認することも重要です。

まとめ:賞与の社会保険料は実額ベースでシンプルに

賞与にかかる社会保険料は、等級制ではなく支給額×保険料率で決定されます。健康保険・厚生年金のそれぞれに対して、設定された料率をかけた額が控除される仕組みです。

明細を確認して正しく理解することで、「思ったより手取りが少ない」といった不安も解消されるでしょう。

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