「お金がないときほどつい使ってしまう」──そんな経験をしたことがある人は少なくありません。まさに逆効果とわかっていても、「もうどうでもいい」と思って散財してしまう心理には、いくつかの明確な理由があります。本記事では、このような行動の背後にある心理学的要因と、具体的な対処法について解説します。
お金がないときに使ってしまう心理とは
お金がないときに浪費してしまうのは、「認知的負荷」や「学習性無力感」といった心理的要因が関係しています。人はストレスが高まると理性的な判断が鈍り、短期的な快楽を求めるようになるのです。
たとえば、残高が減って不安が増したとき、「今つらいからご褒美が欲しい」と思ってしまい、後先を考えずに買い物してしまうことがあります。これがいわゆる“感情による意思決定”です。
「どうでもいいや」になる原因とは?
「どうせもう無理」「どっちにしても破綻する」といった極端な思考は、全か無かの思考(オール・オア・ナッシング)と呼ばれます。これはうつ症状や強いストレス下で見られる典型的な思考パターンです。
この思考に陥ると、1回の失敗を「もう全部ダメ」と捉えてしまい、立て直そうとする努力ができなくなります。その結果、貯金を切り崩したり、無駄遣いに走ったりするのです。
自暴自棄にならないための具体的対策
このような行動を防ぐには、感情とお金の距離を取る工夫が効果的です。たとえば。
- スマホから買い物アプリを一時的に削除する
- 週単位の予算で現金管理に切り替える
- 欲しいものは一晩寝かせてから検討する
また、感情日記やマインドフルネスなど、自分の気分や衝動を記録して客観視する方法も有効です。
心理的サポートを受けるのも一つの手段
「使っちゃダメ」と自分を責め続けると、かえって逆効果になることもあります。もし思考や行動が繰り返されて苦しい場合は、心理カウンセリングなどのサポートを受けることも選択肢の一つです。
実際に、家計の悩みを抱える人向けに無料相談を行っている自治体やNPOもあります。家計の見直し支援(参考リンク)などを活用して、自分の状況に合ったサポートを受けてみましょう。
おすすめの習慣とアプリで支出をコントロール
浪費癖があると感じる人には、次のようなツールもおすすめです。
- 家計簿アプリ「Zaim」や「マネーフォワードME」:支出を見える化
- 「ルール貯金」:使わなかったお金を自動で貯金する仕組み
- LINEの貯金ボットやポイント自動積立など、ゲーム感覚で貯金できる仕組み
アプリによってはリマインダー機能もあり、感情的な出費を防ぐためのサポートが期待できます。
まとめ:心理を理解し、無理せず小さな改善から
お金がないときに浪費してしまうのは、自分に甘いからではありません。ストレスや不安といった感情によって判断力が鈍る、ごく自然な現象です。
「どうでもいい」と感じたときこそ、まずは感情を整理することが大切。そして、すぐに行動を変えるのではなく、小さな工夫から始めましょう。家計改善は、ゆっくりでも「戻ってこれる」という安心感が一番の鍵です。
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