保険診療とは別に、特定の医療技術として国が定めた「先進医療」は、一定の条件を満たせば保険診療と併用できる制度です。ただし、先進医療にかかる費用は全額自己負担となるため、その費用感を把握しておくことは非常に重要です。この記事では、代表的な先進医療の種類や平均費用、費用に関する最新の実例まで、幅広くご紹介します。
先進医療とは?制度の概要と費用の位置づけ
先進医療は厚生労働大臣が認めた高度な医療技術であり、一般の保険診療ではカバーされないものの、診療の一部(検査や入院など)に関しては保険が適用される仕組みです。つまり、先進医療にかかる費用そのものは自己負担となります。
例えば「陽子線治療」のような高度医療は300万円を超えることもあり、費用の把握と事前準備は重要です。
主要な先進医療の種類と平均費用(一部抜粋)
医療技術名 | 平均費用(円) |
---|---|
陽子線治療 | 約2,800,000 |
重粒子線治療 | 約3,100,000 |
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術 | 約500,000 |
胸腔鏡下肺レーザー手術 | 約2,200,000 |
歯周病再生療法(リグロス) | 約150,000 |
上記は厚生労働省「先進医療技術の評価結果等一覧(2023年時点)」の情報を元に一部を抜粋したもので、実際の医療機関や治療内容により異なる可能性があります。
先進医療技術の費用が高額になる理由とは
先進医療は保険適用外であることに加えて、専門的な設備や技術、医師のスキルが求められるため、どうしても高額になりやすい傾向があります。また、導入施設も限られているため競争原理が働きにくく、価格のばらつきが起こりやすい点も挙げられます。
例として、陽子線治療は全国で20か所程度に限られており、自由価格のため施設によって費用は大きく異なります。
先進医療特約のある医療保険で備える
高額になる可能性がある先進医療に備える手段としては、「先進医療特約」が付帯した医療保険への加入が有効です。保険会社により限度額や支払い対象となる技術は異なりますが、一部では2,000万円まで保障可能なプランもあります。
たとえば、A社の先進医療特約では1回の技術につき最大2,000万円、通算2回まで支払い対象となっており、手術費以外に交通費や宿泊費をサポートする付帯サービスも存在します。
先進医療技術の全体リストと費用を調べる方法
厚生労働省は定期的に「先進医療技術の評価結果等一覧」を公開しています。こちらの公式サイトで、すべての先進医療の技術名称、実施施設、平均費用、実施件数などが確認可能です。
また、生命保険会社の公式サイトでも一部技術の費用が紹介されていますが、すべて網羅しているわけではありません。より詳細かつ正確な情報を得るには、上記の厚労省資料や、治療を希望する医療機関に直接確認するのが確実です。
まとめ:先進医療の費用感を把握し備える
先進医療は医療の進歩とともに対象範囲が拡大しつつありますが、それに伴い自己負担額も高額になる傾向があります。平均費用を把握することで、保険の見直しや備えがしやすくなります。
最新の先進医療技術とその費用を確認するには、厚生労働省の資料や医療機関の案内が最も信頼性の高い情報源です。必要な情報を正確に収集し、万一の時に備える意識を持っておくことが大切です。
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