傷病手当金は“図々しい”制度ではない|適応障害や精神疾患でも正当に受け取る権利があります

社会保険

働けない状態にあるとき、「傷病手当金は申請してもいいのか」と悩む方は少なくありません。特に精神疾患で休職中の場合、「図々しいと思われるのではないか」「申請するのが申し訳ない」と感じてしまう人も多いです。しかし、傷病手当金は正当な権利として法律に定められた制度です。本記事では、適応障害などで休職している方が安心して申請できるよう、制度の仕組みと心構えを解説します。

傷病手当金とは?|収入が途絶えたときの生活支援制度

傷病手当金は、会社員などが健康保険に加入していて、業務外の病気やケガで働けなくなった場合に支給される給付です。支給額は、おおよそ直近の給与の3分の2で、最長で1年6か月受け取ることができます。

条件を満たせば、精神疾患(適応障害やうつ病など)でも対象となります。身体疾患と同様に「働けない状態」として医師の診断があれば、何の問題もありません。

「図々しい」と思わなくていい理由

傷病手当金は“助け合いの仕組み”です。あなたがこれまで保険料を支払ってきたのは、いざという時にこの制度を利用するためです。申請することは図々しいのではなく、「当然の権利」です。

実際、申請することをためらって受給しなかった結果、経済的な不安がストレスとなり、回復が遅れるケースも少なくありません。心と体を休めるためにも、制度は積極的に活用すべきです。

傷病手当金を申請する具体的なステップ

申請は以下のような流れで行われます。

  • ①申請用紙の入手:会社経由または健康保険組合・協会けんぽから取り寄せ。
  • ②本人記入欄の記載:氏名や休職理由など。
  • ③会社記入欄の依頼:勤務状況や給与支払い状況の証明。
  • ④医師記入欄:診察した医師が「労務不能」の証明を記載。
  • ⑤提出:健康保険組合や協会けんぽへ郵送。

会社の協力が必要な部分もありますが、多くの企業では手慣れており、適切に対応してくれます。

精神疾患の傷病手当金申請で注意すべきポイント

精神的な病気の場合、診断書に「労務不能」と明確に記載されていることが重要です。また、定期的な通院と治療継続が受給の前提となります。

また、主治医が「復職可能」と判断すると傷病手当金の支給は終了します。復職に向けたリハビリ出勤や就労支援などを通じ、段階的に社会復帰を目指す場合も、医師とよく相談して調整しましょう。

会社との関係性が不安な場合はどうすれば?

「会社に申請するのが気まずい」と感じる方は、信頼できる上司や人事担当に相談し、やりとりは郵送やメールで済ませるなど工夫することも可能です。会社側も、制度の趣旨を理解しているところがほとんどで、申請自体を責めるようなことは本来ありません。

どうしても不安が強い場合は、労働基準監督署健康保険組合、労働者支援NPOに相談するのもおすすめです。

まとめ|傷病手当金は「休むための安心」を支える仕組み

心身の不調で働けなくなったとき、傷病手当金は非常に大きな支えになります。あなたがこれまで保険料を払ってきたのは、まさにこうした事態に備えるため。「休んでるのに受け取るのは申し訳ない」と思わず、自分自身を守る手段として制度を正しく利用しましょう。

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