「まとまった資産があるのに、大きな買い物が不安で踏み切れない」——これは決して珍しい感覚ではありません。特に一括で数千万円を動かすマンション購入となれば、たとえ1億円以上の貯金があっても不安になるのは自然なことです。本記事では、40代・子育て世帯が1.3億円の資産をもとにマンションを購入する際に検討したい要素や、資金の使い方、長期的な安心設計について解説します。
まず確認したい:現時点のライフプランと支出見通し
今回の前提は以下の通りです。
- 現在40歳、子どもは7歳で私立学校に在学中
- 貯金:1.3億円
- 年収は100万円未満、今後も200万円程度を希望
- 5000万円のマンションを一括購入予定
- 子どもは大学まで私立、習い事は複数継続予定
このような状況では、教育費・生活費・住居費・将来の介護や医療費をすべて自己資金でまかなう必要があります。そのため「マンション一括購入後に残る資産」と「その資産で何年暮らせるか」を具体的にシミュレーションしておくと安心です。
マンション購入後の残資産と運用プラン
5000万円のマンションを購入した場合、残資産は約8000万円。ここから生活費・教育費を支出していくことになります。仮に年200万円を生活費に、年150万円を教育費に使うとしても、年間支出は約350万円。
8000万円÷350万円=約22.8年分の生活資金が確保されている計算です。さらに、残りの資産の一部を年2%で運用できる場合、利回りだけでも年間160万円程度が見込めます。
このように見れば、非常に堅実な財政状態であることがわかります。ただし注意したいのは「予期せぬ支出(医療費や老後の介護など)」と「住居の維持費・修繕費」です。
心理的な不安と向き合う方法:一括購入は本当に正解?
一括購入には以下のメリットとリスクがあります。
- メリット:ローン金利がかからない、精神的な安心感がある、審査不要
- リスク:資産の大部分が不動産に固定される、流動性が下がる
そのため、不安が大きい場合は一部ローン(例:1000万円だけ借りる)を組むことで現金の余裕を持たせる方法もあります。
また、今後収入を増やさない方針であれば、少しでも資産運用を継続し、資金が増える仕組みを維持しておくと心理的な安心につながります。
子育て・教育費の支出計画を明確に
私立校に通わせ、複数の習い事を継続させる場合、教育費の総額は以下のように見積もられます。
- 小・中・高校の学費+習い事:約800〜1,200万円
- 大学私立文系:約500〜700万円、理系や医学部ならそれ以上
合計で1,500〜2,000万円程度と見積もっておくと安心です。子どもが独立するまでの15年間にかかる生活費と合わせて計算し、マンション購入後に残る資産と照らし合わせてみましょう。
実例:似たような環境の方の声
●Aさん(43歳・子1人):「6000万円の家を一括購入して不安だったけど、今は家賃が不要で精神的にラク。医療保険と学資保険を手厚くして備えてます」
●Bさん(39歳・フリーランス):「一部を投資信託で運用しながら、教育資金は別枠で確保。使いすぎず使わなすぎずが大事と実感しています」
●Cさん(40歳・専業):「教育費と老後資金だけ確保して、あとは“使うために貯めたお金”と割り切りました。住まいの安心感は大きいです」
まとめ:慎重さは美徳。でも「安心して使う仕組み」も必要
1.3億円の貯金がある中で5000万円のマンション購入に躊躇するのは、極めて正常な感覚です。特に育児・教育・老後を1人で支えるなら、簡単に決断できないのは当然のこと。
ただし、残資産や支出を具体的に見積もることで、不安はかなり軽減されます。「未来の安心」と「今の快適さ」のバランスを取りながら、計画的に動くことが安心感と自信につながるはずです。
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