新しい職場で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出を求められることがあります。特に初めてこのような書類の提出を求められた場合、どのように対応すれば良いのか疑問に感じることもあるでしょう。また、年末調整の時期には複数の職場で働いた場合の処理についても注意が必要です。本記事では、これらの書類の提出義務や年末調整のポイントについて解説します。
「扶養控除申告書」と「配偶者控除申告書」とは?
これらの書類は、給与所得者が正しい税額控除を受けるために必要な申告書です。それぞれの役割について見ていきましょう。
扶養控除等申告書
扶養親族がいる場合に提出が必要な書類です。扶養控除が適用されることで、所得税と住民税が軽減されます。扶養控除等申告書は、主に以下の場合に提出します。
- 扶養家族がいる場合
- 勤務先で初めて給与を受け取る場合
今回のケースでは、すでに4月に提出しているため、追加の提出は不要と考えられます。
配偶者控除等申告書
配偶者控除を受けるために提出する書類です。配偶者の年収に基づき、適用される控除額が異なります。具体的には以下の基準があります。
- 配偶者の年収が103万円以下:配偶者控除が適用
- 年収103万円を超え、201万円以下:配偶者特別控除が適用
質問者様の場合、配偶者の年収が1300万円と高額なため、控除が適用される条件に該当しない可能性が高いです。ただし、会社からの指示がある場合は提出を行いましょう。
年末調整の処理:複数の職場で働いた場合
今年の3月まで別の会社で働いていた場合、年末調整にどのように影響するのかを確認します。
1. 前職の給与を合算する必要性
年末調整では、その年に受け取ったすべての給与を合算して税額を再計算します。前職の給与が10万円ほどであり、新しい職場で年末調整を行わない場合、自分で確定申告を行う必要がある可能性があります。
2. 前職の源泉徴収票の提出
新しい職場で年末調整を行う場合、前職の源泉徴収票を提出することで、前職分を含めた調整が可能です。源泉徴収票がまだ手元にない場合は、前の職場に問い合わせて取得してください。
注意すべきポイント
年末調整に関するその他の注意点を以下に示します。
- 控除証明書の提出: 生命保険料控除や地震保険料控除を受ける場合は、必要な証明書を職場に提出してください。
- 確定申告の必要性: 年末調整を行わない場合や医療費控除を受けたい場合、確定申告が必要となります。
- パート収入の確認: 年収が103万円を超えると扶養から外れる場合があるため注意が必要です。
まとめ:書類提出と年末調整を正しく対応しよう
「扶養控除等申告書」と「配偶者控除等申告書」の提出は、多くの場合義務となります。特に配偶者控除が適用されない場合でも、会社の指示に従って提出することをおすすめします。また、複数の職場で働いた場合は、前職の源泉徴収票を提出し、正確な年末調整を行うことが重要です。
この記事を参考に、正しい手続きで税務処理を進めていただければ幸いです。
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