退職により企業型確定拠出年金(DC)の加入資格を失った場合、資産を放置しておくと最悪「自動移換」となり、運用されず管理手数料だけが差し引かれるリスクがあります。これを防ぐには、個人型確定拠出年金(iDeCo)へ速やかに移換する手続きが重要です。
企業型DCを退職後どうなる?まずは現状を確認しよう
退職により企業型DCは「脱退者」となり、60日以内に何らかの対応をしないと「国民年金基金連合会」へ自動的に資産が移換されます。自動移換されると運用はされず、管理費だけが差し引かれてしまうため注意が必要です。
まずは、退職時にもらった「確定拠出年金 脱退者通知書」または「加入者資格喪失届控」などの資料があるか確認しましょう。これらが、iDeCo移換に必要な書類となります。
iDeCoへ移換する流れ
以下が一般的な移換手続きの流れです。
- iDeCoを取り扱う金融機関(運営管理機関)を選ぶ
- iDeCoの申込書類を請求
- 「個人別管理資産移換依頼書」に企業型DCの情報を記入
- 必要書類を添付して提出(多くの場合、退職時の加入資格喪失証明など)
- 金融機関を通じて国民年金基金連合会に申請→審査→資産移換
すでに自動移換されている場合でも、手続きによりiDeCo口座へ引き戻しが可能です。
どの金融機関を選ぶべき?
iDeCoは、金融機関によって手数料や商品ラインナップが異なるため、慎重に選ぶことが大切です。以下のような観点で比較しましょう。
- 口座管理手数料が安いか(無料〜月額171円程度)
- 運用商品(投資信託・定期預金など)が多様か
- サポートや管理画面の使いやすさ
たとえば、SBI証券や楽天証券、マネックス証券などが低コストかつ人気の高い選択肢です。
移換にかかる期間と注意点
申請から資産の移換が完了するまでには、通常1〜2ヶ月ほどかかります。途中で運用がストップする期間がある点も認識しておきましょう。
60日を超えてしまうと自動移換が発生するため、退職からできるだけ早く金融機関を選び、申請を開始することが重要です。すでに60日を超えている場合でも、書類を用意すれば引き戻しは可能です。
まとめ:iDeCo移換は急ぐべき重要なステップ
退職後に企業型DCをそのままにしておくと、自動移換で資産が運用されないまま手数料が発生する恐れがあります。iDeCoへの移換は、今後の資産形成を継続するためにも非常に重要です。なるべく早く金融機関を選び、必要書類を揃えて申請を行いましょう。
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