近年、副業や趣味での創作活動を通じて収入を得る若者が増えています。特にSNSを通じたイラスト依頼や歌い手など、個人間のやりとりが活発になる中で、「どのように報酬を受け取るか?」という問題が浮上します。なかでもPayPayなどのキャッシュレス決済の利用は手軽な一方で、規約や法律との兼ね合いを理解しておくことが重要です。
PayPayは個人間送金に対応しているが商用利用は制限あり
PayPayは主に個人間送金や日常の買い物向けに提供されているサービスですが、「商用利用(営利目的)」に関しては明確な制限があります。PayPayの利用規約によると、個人アカウントでの商品やサービス提供に対する対価の受け取りは基本的に禁止とされています。
つまり、たとえ相手が知り合いでも、イラストの依頼を受けて報酬としてPayPayでお金を受け取る行為は、「対価を得る営利活動」とみなされる可能性があります。
「バレなければ大丈夫」は危険な思い込み
身近な相手とのやりとりだからといって、「バレなければ問題ない」と考えるのは非常に危険です。PayPayの運営会社は、不審な取引をAIなどで監視しており、違反が発覚すればアカウント凍結や利用制限の対象になることもあります。
過去には、副業として物販を行っていたユーザーがPayPayでの決済を繰り返した結果、運営側により利用停止措置を受けた事例もあります。
未成年と収益活動:保護者の同意と法律の壁
高校生など未成年がネット上でお金を受け取る際には、保護者の同意が必要になる場合があります。また、電子マネーサービスの多くでは、18歳未満の利用に制限がかかっていたり、利用条件が細かく定められていたりします。
報酬の受け取りが継続的・反復的になると、税金や開業届の提出など、法的義務も発生するリスクがあるため注意が必要です。
代替手段:規約に違反しない方法で安全に報酬を受け取るには?
安全かつ規約に沿った方法で報酬を受け取るには、以下のような代替手段を検討することが重要です。
- ・銀行口座への直接振込(トラブル防止のため契約内容は明確に)
- ・保護者名義のPayPay for Businessなど、商用利用可能な手段
- ・イラスト販売プラットフォーム(SKIMA、ココナラなど)を通じたやりとり
たとえば、ココナラでは18歳以上であれば個人でも出品可能で、商用の取引もプラットフォーム経由であれば問題なく行えます。報酬も銀行口座に振り込まれるため、安全性が高いです。
まとめ:PayPay利用前に確認すべきこと
報酬を受け取る手段としてPayPayは便利ですが、商用目的での利用は原則NGであることを理解しておく必要があります。知り合い同士のやりとりであっても、継続的に依頼を受けて報酬を得る場合は注意が必要です。
ルールを守りつつ、保護者とも相談しながら、自分の作品を安心して提供できる環境を整えることが、長く創作活動を続けるうえでの第一歩になります。
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