遺族年金は、配偶者などが亡くなった際に生活の安定を支えるために支給される年金制度ですが、受給資格にはいくつかの条件があります。中でも、再婚した場合に受給が停止されるというルールはよく知られていますが、「再婚後に離婚した場合はどうなるのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、遺族年金の仕組みと、再婚や離婚による影響について詳しく解説します。
遺族年金が停止される主な条件
遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金など)は、原則として以下の条件に該当すると受給資格を喪失(または停止)します。
- 再婚した場合
- 受給者本人が死亡した場合
- 子どもが一定年齢に達した場合(遺族基礎年金)
特に再婚による受給停止は多くの人が知っている一方、その後の扱いについてはあまり知られていません。
再婚による受給停止の具体例
たとえば、Aさん(女性)が夫の死亡により遺族厚生年金を受給していたとします。その後、別の男性と再婚した場合、原則として遺族年金の支給は停止されます。
この停止は「資格喪失」として扱われるのではなく、「受給権の停止」という形式で記録されるため、完全に失効したわけではありません。
離婚後に遺族年金は復活するのか?
結論からいえば、再婚後に離婚・死別した場合、遺族年金の受給は再開できる可能性があります。ただし、再婚相手との間に婚姻の実態があったか、事実婚でなかったかなど、詳細な事情によって判断されることがあります。
復活の可否は、日本年金機構や市町村役場に申し出て審査を受ける必要があり、自動的に復活されるわけではありません。
再開には何が必要?手続きとポイント
遺族年金の受給を再開するには、以下のような手続きが必要です。
- 年金事務所での相談・申請
- 再婚相手と離婚・死別したことの証明(離婚届受理証明書など)
- 再婚相手と生計同一でないことの証明
また、年金記録の確認や、過去の受給状況のチェックも必要です。状況によっては審査に時間がかかることもあります。
注意点:再婚の定義と事実婚の場合
法律婚(戸籍上の結婚)だけでなく、事実婚(内縁関係)も「再婚」とみなされるケースがあります。たとえ戸籍に記載がなくても、同居や生計の共有があれば再婚と判断される可能性があるため、注意が必要です。
逆に言えば、事実婚解消でも受給再開が認められる場合もあるため、状況を詳細に伝えることが重要です。
まとめ:遺族年金の復活には申請が必須
遺族年金は再婚で停止されますが、再婚後に離婚や死別をした場合、手続きをすれば受給を再開できる可能性があります。自動的に再開されるわけではないため、必ず年金事務所へ相談し、必要書類を準備して申請を行いましょう。
「もう戻ってこない」とあきらめるのではなく、手続きを通じて再び支給を受けられるかを確認することが大切です。
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