無職期間中に国民年金保険料の猶予を申請した経験がある方にとって、「追納」するかどうかは重要な判断ポイントになります。この記事では、追納のメリット・デメリット、判断基準、手続き方法などを詳しく解説します。
国民年金の「猶予」とは?
経済的な理由などで国民年金保険料を納めるのが困難なとき、「保険料免除」または「納付猶予制度」が利用できます。猶予制度を利用すると、一定期間の保険料納付が一時的に免除されますが、その期間は将来の年金額に反映されないため注意が必要です。
ただし、猶予期間中も「年金加入期間」としてカウントされるため、老齢基礎年金の受給資格には影響しません。
追納とは?なぜおすすめされるのか
追納とは、過去に猶予・免除された保険料を後から納付することです。追納すれば、その期間も将来の年金額に反映されるため、年金受給額を増やす効果があります。
たとえば、1年間分(約20万円前後)を追納することで、老後に年間数千円〜1万円以上の年金が増えるケースもあります。長生きすればするほど、元が取れる仕組みです。
追納には期限と利息がある
追納には原則として「10年以内」という期限があります。加えて、追納する保険料には一部利息(加算額)が加えられるため、追納は早いほど有利です。
たとえば、3年以上前の期間について追納する場合、保険料に一定の加算がかかるため、1年分あたり1,000円以上多くなることもあります。
追納するべきか?判断ポイント
追納すべきかは以下のような基準で判断するとよいでしょう。
- 将来の年金受給額を増やしたい
- 10年以内に追納できる資金的余裕がある
- 長期的に生活設計を見据えている
逆に、生活が厳しい、もしくは他に優先すべき支出がある場合は、無理に追納しない選択も現実的です。未納のままでも加入期間としてはカウントされているため、最低受給資格を満たせるなら支障は少ないとも言えます。
追納手続きの流れ
追納を希望する場合、まずは最寄りの年金事務所に相談しましょう。日本年金機構のマイページ「ねんきんネット」でも対象期間や金額を確認できます。
手続きの流れは以下の通りです。
- 年金事務所で追納申請
- 追納対象期間と金額の確認
- 納付書の送付→金融機関やコンビニで支払い
一括払い・分割払いも選択でき、計画的に納付することが可能です。
追納と節税の関係
国民年金保険料の追納分も、通常の保険料と同様に「社会保険料控除」の対象となります。年末調整や確定申告時に控除対象として申請すれば、所得税や住民税の節税効果が期待できます。
たとえば、年収300万円の人が10万円を追納した場合、所得税と住民税で数千円以上の税金が軽減されるケースもあります。
まとめ|追納は将来への備え。自身の状況に合わせた判断を
国民年金保険料の追納は、将来の年金額を増やすための有効な手段です。猶予制度を利用していた方は、10年以内であれば追納が可能なので、今後の生活設計や資金状況に応じて検討してみましょう。
不安がある場合は、最寄りの年金事務所や専門家への相談もおすすめです。賢い選択が、将来の安心につながります。
コメント