年金制度は仕組みが複雑で、「将来いくらもらえるのか」を具体的にイメージするのは難しいものです。この記事では、手取り13万円で厚生年金に10年間加入している方が、将来どの程度の年金を受け取れるのかを、基本からわかりやすく解説していきます。
厚生年金の仕組みと受け取れる金額の構成
厚生年金は「国民年金(基礎年金)」に上乗せされる形で給付される2階建ての年金制度です。
将来受け取る年金額は、加入期間や収入額によって決まります。収入が低くても加入年数が長ければ年金額は増えます。
厚生年金の受給額はどう決まる?
厚生年金の受給額は主に以下の2つの要素で決まります。
- 平均標準報酬月額(給与+賞与)
- 加入月数(原則として月単位で計算)
簡易的に言うと、年金額 ≒ 平均月収 × 5.481/1,000 × 加入月数です。これはあくまで目安で、実際の年金額には細かな調整項目があります。
手取り13万円の場合の年金受給額の目安
手取り13万円の場合、額面月収(総支給額)はおおよそ16〜17万円程度と推定されます。ここでは17万円を使って試算します。
平均標準報酬月額:17万円 加入期間:10年(120カ月)で計算すると、
厚生年金の報酬比例部分は
170,000 × 5.481 ÷ 1,000 × 120 ≒ 約111,000円/年(約9,250円/月)
さらに、これに基礎年金(国民年金)として約78万円(満額の場合)が加算されますが、10年のみ加入している場合、満額にはなりません。国民年金は480カ月加入で満額なので、10年では約78,000円程度です。
つまり、年額 約19万円、月額 約1万6千円前後が目安となります(条件により変動)。
厚生年金の加入期間が10年で満たす「受給資格」
以前は年金受給資格を得るには25年以上の加入が必要でしたが、現在は10年以上の加入で年金を受け取ることができます。これにより、短期間しか加入していなくても、受給権が得られるようになりました。
ただし、受け取れる額は少なくなるため、他の手段(iDeCoやつみたてNISAなど)での老後資金の準備が重要になります。
将来に備えるにはどうすれば良い?
年金だけで老後をまかなうのは難しい場合もあります。低所得者向けには「付加年金」や「国民年金基金」、また自助努力として「iDeCo」や「つみたてNISA」などの活用が推奨されています。
特に若いうちから長期的に積立・投資をしておくことで、老後の備えに大きな差が生まれます。
まとめ:10年加入でも年金は受け取れるが、金額は低め
手取り13万円で厚生年金に10年間加入していた場合、受け取れる年金額はおおよそ年間19万円程度です。月々の金額は決して多くはないため、将来に向けて他の資産形成策も併用するのが賢明です。
正確な金額を知りたい場合は、ねんきんネットで年金記録を確認し、試算するのがおすすめです。
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