生命保険請求時に手術名が違う?CVポート造設と保険会社の対応のズレを正しく乗り越える方法

生命保険

病院で受けた手術の名称と、生命保険会社が求める名称が異なるために給付金請求が通らない――そんな事例が少なくありません。特に「中心静脈ポート(CVポート)」の設置手術では、似た名称の術式が複数存在し、医療機関と保険会社で用語が食い違うことが原因になります。本記事では、CVポート造設術と保険会社の給付条件のズレへの対応策を詳しく解説します。

医療機関と保険会社で手術名が異なる理由

病院で発行される診療明細書や診断書では、「中心静脈埋め込み型カテーテル設置術」や「中心静脈ポート設置術」といった名称が用いられることがあります。これは厚生労働省の診療報酬制度に基づいた術式名であり、医療機関での正式な表記です。

一方、生命保険会社では独自の基準で手術給付対象を分類しており、「中心静脈注射用植え込型カテーテル設置」など、若干異なる文言が使われることがあります。この名称の差異が、給付の可否に影響してしまうのです。

CVポート設置術はどんな手術?

CVポート(中心静脈ポート)とは、化学療法や高カロリー輸液などのために、皮下にカテーテルと薬剤注入ポートを埋め込む処置です。多くの場合、鎖骨下静脈や内頸静脈に留置され、長期的に使用されます。

この手術は、正式には「中心静脈注射用植え込み型カテーテル設置術」と呼ばれることもあり、厚労省の診療報酬点数表では「K610-3 中心静脈注射用植え込み型カテーテル設置」として分類されます。

実際の名称が違っていた場合の対応方法

もし病院の診断書に記載された手術名と、保険会社の手術名が一致しない場合は、以下の手順で対応するのが効果的です。

  • 1. 医療機関に「診療報酬点数表に基づく手術コード(例:K610-3)」を記載した診断書または証明書の再発行を依頼
  • 2. 併せて「施術内容が保険会社の手術名と同一内容である旨」を追記してもらう(または説明書の添付)
  • 3. 保険会社へ再度提出し、給付対象と認定されるか確認

多くの保険会社では、医学的内容が一致していれば給付対象になるケースがあります。問題は“文言”ではなく“実際の処置内容”にあるため、医師の協力を得ながら補足説明を行うことが重要です。

「手術コード(Kコード)」が保険請求のカギになる

診療報酬点数表におけるKコードは、全国共通の手術分類であり、保険会社でも多くが参考にしています。CVポート造設術の場合、「K610-3」が該当するケースが一般的です。

診断書にKコードの記載があると、保険会社の事務担当者にも手術内容の特定がしやすくなり、審査がスムーズに進む可能性が高くなります。

まとめ:医療と保険の“言葉の壁”を超えるには

「中心静脈埋め込み型カテーテル設置術」と「中心静脈注射用植え込み型カテーテル設置術」は医学的には同じ手術であることが多いにもかかわらず、文言の違いで保険給付が否認されるケースがあります。

このような場合には、手術のKコード確認と医師による補足説明を通じて、保険会社に実質的な同一手術であることを示すことが解決の糸口になります。

必要であれば、保険会社と医療機関の間で直接やり取りしてもらえるよう調整をお願いすることも検討しましょう。

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