過去に信用状(L/C)を使って海外との貿易取引を行っていた方にとって、「現在も同じように買取や取立が可能なのか?」は重要な疑問です。特にスリランカなど新興国との取引ではL/Cを活用するケースが多く、久しぶりに再開したい場合には、最新の金融機関の対応を把握しておくことが不可欠です。
信用状(L/C)取引とは何か?
信用状(Letter of Credit、L/C)は、銀行が輸入者の信用を担保し、輸出者に対して支払いを保証する国際貿易の決済手段です。輸出者にとっては代金未回収リスクを軽減できる安全な方法として長年活用されています。
たとえば、スリランカの輸入業者が日本から機械を輸入する場合、L/Cを発行することで、日本の輸出企業は取引条件に従って書類を提出すれば確実に代金を受け取ることができます。
三菱UFJ銀行での現在のL/C対応状況
三菱UFJ銀行では、2025年現在もL/Cに関する「買取」「取立」サービスは継続されています。ただし、過去10年前の体制とは異なり、支店ではなく専門部門(国際業務部門)での取り扱いとなっているため、直接支店へ行っても詳しい案内が得られないケースがあります。
そのため、以下のような対応が必要です。
- コールセンターではなく、国際業務専門窓口または法人営業担当への取り次ぎ依頼
- オンラインバンキングを利用して事前にL/C条件などの提出資料を用意する
- 事前に輸出契約やスリランカ側のバンク情報などを確認しておく
取引再開時の主な留意点
再びL/C取引を始める場合には、以下のような変更点や注意事項があります。
- 規制や制裁対象国のアップデートにより、国によってはL/C自体が不可となっている可能性がある
- スリランカの与信リスクや外貨管理制度の変動により、支払い保証の厳格化がある
- 銀行が求める書類や条件が変化している(特にインボイス、B/L、保険証券など)
スムーズな取引再開のためには、現時点の信用状フォーマットや条件例を確認することが重要です。
スリランカとのL/C取引の現状
スリランカは一時的な債務危機による為替規制などの影響で、L/C決済に制限がかかることがあります。たとえば2022年以降、外貨の割当制限によりL/Cが開設されにくい状況もありました。
現在は一部改善が見られていますが、スリランカ側のバンクの格付けやL/C発行銀行の信頼性は、取引可否を判断する大きな要素になります。
事前にスリランカ企業側と連携し、「どの銀行がL/Cを開けるのか」「国際間決済に支障はないか」など、現地情勢も踏まえて確認しましょう。
L/C取引の再開手順と準備すべき資料
以下は一般的な信用状買取手続きの流れです。
- スリランカの輸入者がL/C発行を依頼
- L/C通知が三菱UFJ銀行を通して輸出者に届く
- 輸出者は商品発送後に船積書類(インボイス、B/Lなど)を銀行へ提出
- 銀行が書類を審査し、条件を満たせば代金買取
- 後日、支払期日にスリランカの銀行から送金される
必要な書類や注意点はL/C内容により異なりますが、まずは過去のL/Cコピーを見直し、現在の規定と照合すると良いでしょう。
まとめ:L/C取引再開には専門部署への直接確認を
三菱UFJ銀行では、現在もL/Cの買取や取立業務は実施されていますが、支店レベルでは詳細な対応が難しい場合があります。国際業務専門部署へのコンタクトを通じて、最新の規定や対応可能な通貨・国・バンク条件を事前に確認することが成功の鍵です。
特にスリランカのように経済状況が変化しやすい国との取引では、最新の情報に基づいて慎重に進めることが重要です。取引再開前には、専門家や貿易実務担当者への相談も検討しましょう。
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