車のローンやその他の借入に対して、繰上げ返済の優先順位に悩む方は少なくありません。特に複数のローンを抱えている場合、手元の資金をどちらに充てるべきかは、金利や返済期間、ライフプランなどを総合的に考える必要があります。
まずは各ローンの条件を明確にする
ローン返済戦略を考えるうえで最も重要なのは、各ローンの金利、返済期間、残高、そして月々の返済額を正確に把握することです。
たとえば、残クレ(残価設定ローン)は「来年末で完済必須」とのことなので、返済期限が明確に迫っている短期ローンです。一方で、10年ローンは長期である分、利息の総支払額が膨らみやすくなります。
金利の違いによる総支払額の比較
仮に残クレの金利が3%、500万円のローンの金利が1.5%だと仮定した場合、たとえ残クレの方が金額が少なくても、返済しないまま完済期限を迎えると残価を一括で支払う必要が出てきます。
例えば、残クレで200万円、金利3%、残り1年の場合の利息は約3万円ほどですが、10年ローン500万円、金利1.5%であれば、利息だけで約39万円以上になることもあります。
「完済期限の近さ」と「金利の高さ」を重視
基本的に、繰上げ返済は金利が高く、かつ返済期限が近いローンを優先するのがセオリーです。理由は、利息負担が重くなりやすく、放置すると損をしやすいためです。
残クレは一般的に金利がやや高めで、完済期限が決まっているため、資金があるなら早期完済が得策です。完済により、車の所有権も自身に移るなどのメリットもあります。
繰上げ返済のメリットと注意点
10年ローンの繰上げ返済には利息軽減の効果がありますが、手元資金を減らしてしまうリスクもあります。また、金融機関によっては一部繰上げに手数料がかかるケースもあります。
たとえば、年1回の繰上げ返済が無料の銀行もあれば、手数料が数千円発生する場合もあるため、事前に確認が必要です。
万が一への備えも忘れずに
手元資金がゼロになるほど繰上げ返済をしてしまうと、予期せぬ出費に対応できなくなる可能性があります。最低でも生活費3ヶ月分の緊急資金は残しておきましょう。
また、ローン返済よりも「家計の安定化」が重要なケースもあります。家計に無理のない範囲で計画的に進めることが、長期的な安心につながります。
実例:車のローン完済を優先したケース
ある30代夫婦は、残クレ150万円と住宅ローン4000万円を抱えていました。ボーナスで200万円貯まったタイミングで、車のローンを完済。その後、毎月の支出が減ったことで住宅ローンの繰上げにも余裕ができ、精神的にも楽になったそうです。
このように、1つのローンを完済することで家計のキャッシュフローが改善し、将来的な繰上げ返済もしやすくなる効果があります。
まとめ:短期×高金利のローンから返すのが基本
200万円の手元資金がある場合、基本的には残クレのような短期で金利が高いローンを優先的に完済するのが合理的です。500万円の10年ローンの繰上げ返済は、車のローン完済後、生活資金の余裕がある範囲で行うのが無理のない返済計画になります。
ただし、金利や条件、生活環境は人によって異なるため、必要に応じて金融機関やファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめです。
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