自動車保険の契約更新や新規加入時において「等級」は保険料を大きく左右する重要な仕組みです。特に6等級以下に下がった場合、「新規で契約すれば6等級に戻るのでは?」という誤解をされる方も少なくありません。本記事では、自動車保険の等級制度の仕組みや注意点を丁寧に解説し、賢い選択の一助となる情報をお届けします。
自動車保険の等級制度とは
自動車保険の等級は「ノンフリート等級制度」と呼ばれ、1等級から20等級まで存在します。原則として、新規契約者は6等級からスタートしますが、事故歴や過去の契約状況によって異なる場合があります。
無事故で更新を続ければ1年ごとに1等級ずつ上がり、等級が上がるほど割引率も高くなる仕組みです。一方で事故を起こすと等級は下がり、翌年の保険料が高くなります。
等級リセットの誤解と現実
「6等級以下になったので新規契約をすればリセットできる」という考えは基本的に誤解です。保険会社は契約者の過去の契約情報や事故歴を照会するため、新規であってもその人の事故歴や等級情報は引き継がれます。
実際には、損保協会が管理する「自動車保険契約照会制度」により、等級や事故歴は共有されています。したがって、別の会社で新規契約をしても、リセットにはなりません。
一部例外:別の名義で契約する場合
例外的に、配偶者や親族などの別名義で新規契約を行う場合は、その人の6等級でスタートできます。ただし、この場合も実質的な「等級リセット」ではなく、全く新しい契約者としての扱いになります。
また、同居の親族間での「等級継承制度」を使えば、現在の等級を引き継げることもあります。名義変更を検討する際には、保険会社に相談して正確な手続きが必要です。
事故で等級が下がった場合の対処法
事故を起こし等級が大きく下がってしまった場合、以下のような対処法があります。
- 一定期間保険契約をしない(ただし13か月以上経過で等級失効)
- 親族の契約に名義変更し、後に再継承する
- 共済など別制度を活用する(ただし制度の互換性に注意)
いずれにしても、損害保険会社の担当者やFPに相談することで、最も現実的な選択肢を見つけることができます。
保険料を抑えるためにできること
等級に関係なく保険料を下げる工夫も重要です。たとえば。
- 年間走行距離を短く申告する
- 免責金額を高く設定する
- 車両保険を外す、または限定タイプにする
- 補償内容を見直す
また、一括見積もりサービスを活用すれば、複数社のプランを比較しやすくなります。
まとめ:等級の正しい理解で損をしない契約を
自動車保険の等級制度は契約者ごとに管理され、新規契約であっても事故歴や等級は引き継がれます。「リセットできる」という誤解を避けるためにも、正しい知識を持って保険の見直しや加入を行うことが大切です。
もし保険料に悩んでいる場合は、保険会社や専門家に相談し、等級や補償内容を見直すことで、より納得感のある保険選びができるでしょう。
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