1年の途中で転職した場合、「年末調整はどうしたらいいの?」「前職と新しい職場で源泉徴収票が2枚あるけどまとめられるの?」など、多くの人が迷いがちです。この記事では、転職した年に複数の会社で勤務した場合の年末調整と確定申告の選び方を、実例を交えて丁寧に解説します。
転職した年の年末調整の基本
年末調整は、1年間に得た給与所得に対する所得税の過不足を年末に精算する手続きです。通常、1社に勤務している人はその会社が年末調整を行いますが、複数の会社に勤務した場合は扱いが異なります。
ポイントは「最後に勤めていた会社が年末調整を行うことができる」ということ。前職から源泉徴収票をもらい、新しい職場に提出すれば、新しい会社側で年収を合算して年末調整してくれます。
前職の年末調整を自分で確定申告する選択肢
もし何らかの事情で新しい会社に前職の源泉徴収票を提出しなかった場合は、自分で翌年の2月〜3月に「確定申告」を行い、前職・現職両方の給与所得を合算して申告する必要があります。
この方法は「自分で全て管理したい」「新しい職場に前職の情報を出したくない」という人にも適しています。確定申告をすることで、納税額の過不足の精算が正しく行われ、還付金が出ることもあります。
新しい会社にすべてお願いするメリットと注意点
新しい会社に前職の源泉徴収票を提出して年末調整を依頼することで、確定申告をする必要がなくなるというメリットがあります。税務処理が簡単に済み、煩雑な作業を避けられます。
ただし、前職からの源泉徴収票は必ず提出期限内に渡すことが重要です。遅れると新しい会社側で年末調整ができず、自分で確定申告をすることになります。
源泉徴収票の取り扱いとスケジュール
前職の会社は、退職後1か月以内に源泉徴収票を発行する義務があります。それを受け取ったら、新しい職場の年末調整担当に早めに提出しましょう。
年末調整の書類提出は11月〜12月上旬が多いため、それまでに準備が整っているとスムーズです。提出が難しい場合や不安がある場合は、早めに新しい会社の総務や人事に相談しましょう。
どちらがよいかの判断ポイント
以下のような状況に応じて選択するとよいでしょう。
- 事務作業を減らしたい → 新しい会社でまとめて年末調整
- 前職の給与内容を開示したくない → 自分で確定申告
- 副業や医療費控除など他の申告もある → 確定申告がおすすめ
どちらの選択肢でも正しい手続きをすれば税務的には問題ありません。
まとめ:自分に合った方法を選び、期限を守ろう
転職した年の年末調整は、「新しい職場で前職分を含めて処理する」または「自分で確定申告する」という2つの方法があります。どちらを選んでも良いですが、それぞれの手続きには期日があるため、早めの行動が大切です。
年末調整や確定申告について不安がある場合は、新しい会社の人事部や税理士、税務署の相談窓口に気軽に相談してみましょう。正しい情報を得て、安心して新しい職場での生活をスタートしましょう。
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