個人事業主がアルバイトする際の税表区分「甲・乙」の正しい選び方と注意点まとめ

税金

個人事業主として事業を行いながら、空いた時間にアルバイトを検討している人も少なくありません。その際に気になるのが「税表区分」。甲と乙、どちらを選ぶべきなのか。さらに、アルバイトを複数掛け持ちした場合はどうなるのか。本記事では個人事業主の立場での適切な区分選択と注意点について、わかりやすく解説します。

◆税表区分「甲」と「乙」の違い

税表区分は、勤務先にとっての「主たる給与」か「従たる給与」かを区別するための仕組みです。

  • 甲欄:扶養控除申告書を提出した勤務先(メインの勤務先)に適用。
  • 乙欄:扶養控除申告書を出していない勤務先に適用。源泉徴収税率が高くなる。

つまり、同時に2つ以上の勤務先がある場合、1つだけ甲欄にでき、残りはすべて乙欄になります。

◆個人事業主がアルバイトする場合は原則「乙」

個人事業主が本業として開業届を提出している場合、その本業が「主たる所得源」とみなされ、アルバイト先では基本的に「乙欄」が適用されます。

アルバイト先で「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなければ、自動的に乙欄になり、源泉徴収額が高くなりますが、確定申告で年末調整相当の精算が行われます。

◆2つ以上のアルバイトを掛け持ちする場合の区分

事業とは別に、アルバイトを2か所で掛け持ちしている場合、どちらか1つを「甲欄」に設定することが可能です。たとえば。

  • 本業(個人事業主)+A社(甲)+B社(乙)
  • もしくは、すべて乙扱いにして確定申告時に調整することも可能

ただし、甲欄にするためには「扶養控除等申告書」をその勤務先に提出する必要があります。

◆確定申告での調整と注意点

乙欄で支払われた給与は源泉徴収額が高くなりますが、確定申告で最終的に正しい所得税額に調整され、払い過ぎた税金は還付されます

個人事業主はもともと確定申告が必須なので、乙欄での過剰徴収は大きな問題にはなりません。ただし、事前に源泉税の額が大きくなる点には注意が必要です。

◆実例:ライター業+アルバイトのケース

例)ライターとして個人事業開業中のAさんが、週2日カフェでアルバイトを開始。
この場合、カフェには扶養控除申告書を提出しなかったため、税表区分は乙に。

源泉徴収税率は高くなりましたが、年度末に事業所得+給与所得で確定申告し、税金を精算。結果的に一部が還付されることになりました。

◆まとめ:個人事業主の税表は「乙」が基本、確定申告で調整

  • 個人事業主は原則アルバイト先では「乙欄」になる
  • アルバイトを複数掛け持ちする場合も甲欄は1か所まで
  • 源泉徴収が多くても確定申告で最終調整ができる
  • 「甲」にしたい場合は扶養控除申告書の提出が必須

収入形態が多様になるほど税の仕組みも複雑になりますが、基本的な考え方を押さえておけば大丈夫。税務署や税理士の相談窓口を活用するのもおすすめです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました