大学生のアルバイトでも、働き方によっては社会保険の加入が必要になる場合があります。一定の条件を満たすと会社側に加入義務が生じ、本人が望んでいなくても保険料が控除されることも。本記事では、学生アルバイトが社会保険に加入する基準と、誤解しやすいポイントを整理しながら解説します。
学生でも社会保険に入らなければいけないの?
基本的に、大学生は「学生」である限り、社会保険の適用除外になります。ただし、これはあくまで「学生アルバイト」の場合で、以下の条件を満たすと除外されなくなる可能性があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収が88,000円以上(残業代・交通費含む)
- 雇用期間が2か月超見込み
- 従業員101人以上の企業で働いている
上記4条件をすべて満たしている学生アルバイトであっても、「昼間学生」である限り、社会保険の適用対象にはならないと厚労省は示しています。つまり、正規の大学在学中であれば、月収や勤務時間が多くても、原則は保険加入は不要です。
月収88,000円や年収130万円の境界の意味とは?
月収88,000円というラインは、主に「健康保険・厚生年金」の加入条件として使われます。一方、年収130万円は「扶養」の範囲を判定する基準です。親の扶養に入っている場合、この130万円を超えると扶養から外れる可能性があり、保険料の支払いが発生することになります。
つまり、月88,000円未満なら健康保険の加入は基本不要で、年130万円以下なら扶養内で税負担も軽く済むという2つの基準をそれぞれ意識する必要があるのです。
なぜアルバイト先から週20時間以下・月88,000円以下と言われるのか
これは、学生であるかどうかを会社が厳密に把握していない、あるいは学生であっても「非正規雇用に対する社保強制加入制度」の影響を避けたいという意図があります。
特に大手チェーン店やコンプライアンスを重視する企業では、「週20時間」「月88,000円」などの上限を設けることで、学生も含めて社会保険の判定基準に該当しないよう管理しているのです。
学生が社会保険に入るメリットとデメリット
メリット:将来の年金受給額が増える、傷病手当金や出産手当金などの保障がある。
デメリット:保険料が毎月給与から差し引かれ、手取りが減る。年収が増えると扶養から外れるリスクがある。
学生のうちは保険料負担に比べて保障が活用されにくいため、あえて加入しない方が得策という判断も現実的です。
実際の対応策とアドバイス
毎月10万円程度稼いでいる場合でも、学生である限り社会保険に入らなくて済むケースが多いです。ただし、学校を卒業してからも同じ条件で働き続けると、自動的に社会保険の加入対象になります。
会社が誤って学生を社保加入させようとする例もあるため、不安なときは「自分は学生なので適用除外になると思いますが、念のため確認してもよいですか?」と丁寧に相談してみましょう。
まとめ:学生アルバイトは基準を知って冷静に判断を
大学生がアルバイトでどれくらい働けるか、稼げるかは、社会保険や扶養の基準によって大きく影響を受けます。月収88,000円・年収130万円といったラインの意味を正しく理解し、自分が学生である限り社会保険の加入義務が原則ないことを押さえておきましょう。
無用な保険料を払わないように、知識を持ってバイト生活をコントロールすることが大切です。
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