退職後は健康保険の切り替えにより、思わぬ出費が続くことがあります。特に「国民健康保険」から「家族の扶養」への切り替え時期や保険料の支払いについては、制度の仕組みを理解しておくことが重要です。本記事では、保険料の支払い義務や扶養に入った際の扱いについて、具体的なケースをもとに解説します。
退職後は原則として国民健康保険へ加入
会社を退職すると、健康保険の資格を喪失します。そのため多くの人は「任意継続」か「国民健康保険」への加入が必要になります。今回のように失業保険を受給している間は、自分で保険に加入し、保険料を負担する必要があります。
市区町村から送付される保険料納付書は、通常翌年度分(4月~翌年3月)の保険料が月割で記載されています。したがって、仮に1月から扶養に入る予定であっても、それ以前の分については支払い義務があることになります。
保険料は「加入期間分」だけ支払えばよい
重要なのは、国民健康保険の保険料は「加入していた期間」に対してのみ支払い義務があるという点です。つまり、1月から扶養に入り、保険資格がなくなった場合は、それ以降の保険料を支払う必要はありません。
ただし、すでに納付書が届いていても、支払うのは実際の加入月(例:5月〜12月)分のみです。扶養に入った日をもって国保資格は喪失するため、それ以降の保険料分は支払い対象外になります。
手続きはいつ・どのように行う?
1月に扶養に入る場合は、その前月中に手続きを行い、年明けに健康保険証を取得するのが理想です。手続きの流れは以下のとおりです。
- 扶養者の勤務先に「扶養に入りたい」旨を連絡
- 必要書類(離職票、雇用保険受給資格者証、所得証明など)を提出
- 会社の健康保険組合または協会けんぽで審査
- 認定後、健康保険証が交付される
扶養認定の審査には収入条件があり、失業給付の基本手当日額が3,612円以上の場合は認定されないことがあります。詳細は会社や保険組合に確認しましょう。
保険料をすでに納付した場合の還付は?
すでに来年6月分までの国民健康保険料を支払っている場合でも、1月以降に国保を脱退すれば、過払い分は還付対象になります。
還付には以下のような手続きが必要です。
- 国民健康保険の脱退手続き(保険証の返却含む)
- 新たな保険証(扶養)の提示
- 自治体による計算・還付手続き
還付には1〜2か月程度かかるケースが多いですが、支払った分が戻るのは家計的にも安心材料となります。
扶養に入るタイミングと注意点
1月から扶養に入る予定であれば、遅くとも12月中に手続きを進めるのが理想です。遅れると、国保の資格喪失が1月以降となり、余分な保険料が発生するリスクがあります。
また、会社や組合ごとに扶養認定の細かい基準や書類が異なるため、早めの確認と準備が大切です。
まとめ|支払うのは加入期間分だけ。早めの手続きで安心
国民健康保険の保険料は、実際に加入していた期間だけ支払えばよく、扶養に入ることで資格がなくなれば、その後の保険料は不要になります。すでに納付済みでも、過払い分は還付の対象になりますので安心してください。
大切なのは、扶養への切り替えを見越して早めに行動すること。スムーズに切り替えることで、無駄な支出を防ぐことができます。
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