扶養内で働いているのに所得税が引かれてしまった――そんな疑問を抱く方は少なくありません。この記事では、パート収入が年間103万円以下でも所得税が発生するケースや、手違いによる源泉徴収の原因、さらに配偶者(夫)の税負担への影響について解説します。
所得税が引かれる仕組みと103万円の壁とは?
一般的に、年間の給与収入が103万円以下であれば所得税は発生しないとされています。しかし、実際には「年末調整」や「扶養控除等申告書」の提出状況によって、一時的に税が引かれることがあります。
特に年の途中からパートを始めた場合、会社が本人の年間見込み収入を正確に把握できず、源泉徴収義務により暫定的に税を引くことがあります。
よくある「扶養控除等申告書の未提出」による課税ミス
年初または入社時に提出が必要な「扶養控除等申告書」が提出されていないと、会社はその人を「乙欄」で課税することになり、所得税が通常よりも高めに引かれることになります。
【例】
・Aさん:1月にパート開始→扶養控除申告書を出し忘れ→1月・2月分で所得税が引かれる→3月に提出後は非課税に戻る。
夫のボーナスの税額が上がった原因とは?
配偶者がパートで働き始めたからといって、すぐに夫の所得税が増えるとは限りません。ただし、年末調整や確定申告の際に「配偶者控除・配偶者特別控除」の対象外となった場合は、税額が増える可能性があります。
・2023年の年間パート収入が103万円を超えていた
・給与支払者(夫)の会社が前年度と控除条件を変更した
このような場合、夫の課税所得が増えるため、ボーナスや月給の税額も高くなる傾向があります。
一時的な課税分は還付される?年末調整・確定申告のポイント
年末に会社が「年末調整」を行う際、103万円以内で収入をおさえていた場合は、1月・2月に引かれた所得税が還付される可能性があります。もし年末調整が未対応であれば、自身で確定申告を行うことで返金を受けられます。
【還付の手順】
1. 源泉徴収票を受け取る
2. e-Taxや税務署で確定申告をする
3. 数週間後、指定口座に還付金が振り込まれる
パート収入と扶養の関係を改めて理解しよう
扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。今回のケースでは「税法上の扶養(配偶者控除・特別控除)」に関わる話です。以下の表でざっくり把握しておくと便利です。
年間収入 | 税制上の扱い | 夫の控除 |
---|---|---|
〜103万円 | 所得税なし | 配偶者控除あり |
103〜150万円 | 課税あり | 配偶者特別控除あり |
150万円〜 | 課税あり | 控除なし |
まとめ:課税の理由は「申告書類」や「年中開始」の影響かも
・1月・2月の所得税は、扶養控除申告書未提出などによるものの可能性が高い
・夫のボーナス課税増は、配偶者控除の影響が出ている可能性もある
・年末調整や確定申告で正しい控除が適用されれば、還付を受けられることも
曖昧なままにせず、会社の人事・労務や税務署に確認をとることが、今後の安心に繋がります。
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