借金の一本化を目的としたおまとめローンは、金利負担を軽減し返済管理をしやすくする有効な手段です。しかし、審査のために確定申告を行った結果、思わぬ税負担が発生し、悩む方も少なくありません。この記事では、そうした状況に陥った方がとるべき対応策を詳しく解説します。
おまとめローン審査と確定申告の関係
おまとめローンの審査では、収入の裏付けが求められます。フリーランスや副業のある方は、収入証明として確定申告書が重視されます。年収を一時的に増やすことで審査通過を狙うケースもありますが、その結果として課税所得が増え、税金の負担が増える可能性があります。
実際に確定申告で事業収入や副業収入を多めに計上すると、住民税・所得税・国民健康保険料のいずれも増えるため注意が必要です。
確定申告後にローンを辞退した場合の税金
おまとめローンを辞退した場合でも、確定申告で提出した所得情報はそのまま課税対象として扱われます。たとえ目的が変わっても、提出した内容に基づき課税処理されるため、税金の支払い義務は免れません。
つまり「ローンに使うつもりで申告したのに、実行しなかったから税金は払いたくない」という理由は通用しない点に留意が必要です。
税負担を軽減する方法
税金の支払いが難しい場合は、税務署に対して「納税猶予」や「分納申請」を行うことが可能です。正当な理由(急な出費や収入減少など)がある場合、分割納税を認めてもらえる可能性があります。
また、誤って過大に申告してしまった場合は、期限内であれば「更正の請求」により訂正申告ができます。これにより、課税額を減額できる可能性もあります。
無理のない借金整理の進め方
おまとめローンの審査を目的に収入操作的な申告をすると、税務上のリスクも伴います。ローン審査を通すために無理な確定申告をするのではなく、生活に合った返済計画を立てることが大切です。
借入金額や返済比率を見直し、信用情報に影響しない形での資金調達(親族間の借入など)も検討するとよいでしょう。債務整理の専門家に早めに相談するのも有効な選択肢です。
実例:確定申告で住民税が急増したケース
副業収入を60万円と見積もって申告したAさんは、住民税が月2,000円から月8,000円に増加。ローン審査通過を目的とした申告だったが、ローン辞退後も住民税の増額に苦しみ、税務署に相談のうえ分納制度を利用することになった。
まとめ
おまとめローンの審査対策として確定申告を行う際には、税負担とのバランスを慎重に考えることが重要です。確定申告の内容は税務処理に直結するため、後で「やっぱり辞めたから税金も取り消してほしい」は基本的に通用しません。困った場合は税務署や税理士への相談を早めに行い、無理のない解決策を模索することが安心です。
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