高校生でもアルバイト収入が増えてくると、思わぬ税金の問題が発生します。特に注目すべきなのが「親の扶養」に関する影響と「社会保険」の加入要件です。今回は、高校生が年収103万円を超えそうな場合に知っておくべき税金・保険制度のポイントを解説します。
年収103万円の壁とは?
高校生が親の扶養に入っている場合、年収103万円以下であれば、親の「所得税の扶養控除」対象になります。これを超えると、親が受けていた扶養控除(38万円)がなくなり、親の所得税額が上がる可能性があります。
たとえば、年収が150万円の子どもがいると親の税額は数万円単位で上がることもあり、「親の税金が高くなる」という実感につながるのです。
バイト先が複数ある場合の合算に注意
前年10月から今年3月までのバイトと、今年2月からのバイト先の両方を含めた「今年の1月〜12月の合計収入」で判定されます。たとえ今のバイトだけで103万円未満であっても、前のバイトの収入を合算して103万円を超えた場合は扶養控除対象外になります。
たとえば、前のバイトで今年1〜3月に月6万円働いていたなら18万円、今のバイトで月9万円なら、6月時点で約54万円。合計72万円でも10月頃には103万円を超えてしまいます。
高校生でも社会保険に加入しないといけない?
基本的に高校生は社会保険(厚生年金・健康保険)の加入義務はありませんが、以下の条件をすべて満たすと加入対象になります。
- 週の労働時間が20時間以上
- 月収が88,000円以上
- 学生でない(通信制は対象)
- 1年以上の勤務予定
- 従業員数101人以上の会社
このうち「学生でないこと」が条件なので、高校生であれば通常は加入義務はなく、店長から何も言われないのは妥当といえます。
親の健康保険の扶養も影響を受ける?
税金の扶養(所得税)と、健康保険の扶養は別基準です。健康保険では収入が年間130万円を超えると親の被扶養者から外れ、自身で国民健康保険に加入しなければならなくなる可能性があります。
したがって、「103万円の壁」は税金に関する話であり、「130万円の壁」は保険の話、と覚えておくと整理しやすくなります。
どう対策すればいいのか
- 今年の収入見込みを今すぐ試算:月収×月数で年収見込みを出してみましょう。
- 親に早めに報告:扶養控除が外れることを伝えておくことで、確定申告の準備がスムーズになります。
- 必要なら勤務時間を調整:103万円を超えないようにバイトのシフトを見直すのも一案です。
まとめ:知らないと損する「高校生バイトの税と保険」
高校生でもバイト収入が増えると税金や保険の影響が出てきます。103万円を超えると親の所得税の扶養控除から外れ、130万円を超えると健康保険の扶養からも外れる可能性があるため、自分の収入をしっかり把握することが大切です。
また、バイト先が複数ある場合は、すべての収入を合算して判断される点にも注意しましょう。わからないときは、親や税理士、市役所の保険担当に相談するのが安心です。
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