フリーランスや個人事業主として高収入を得たあと、会社員として働く場合、保険制度が「国民健康保険(国保)」から「社会保険(社保)」へと切り替わります。このとき、「保険料はどれくらい下がるのか?」「切り替えのタイミングで何が起こるのか?」といった疑問を持つ人は多いです。この記事では、年収1000万円から月給20万円の会社に転職した場合を想定して、国保と社保の保険料の仕組みとその差についてわかりやすく解説します。
国民健康保険と社会保険の基本的な違い
まず、両者の保険料の計算方法を理解することが重要です。
- 国民健康保険(国保):前年の所得を基に各市区町村が算出し、全額自己負担
- 社会保険(社保):現在の月給ベースで保険料を算出し、会社と本人が折半で負担
つまり、国保は「前年の収入」、社保は「現在の収入」に左右されるため、収入に大きな変動がある人にとっては大きな差となります。
実例:年収1000万円→月給20万円に変わった場合
例えば、2024年にフリーランスで年収1000万円を稼ぎ、2025年1月から月給20万円で会社員として働くケースを考えてみましょう。
国保の場合:2024年の年収1000万円に基づき、2025年度の国保料が算出されるため、年間80〜100万円程度(地域によって異なる)になる可能性があります。
社保の場合:月給20万円に基づいて保険料が決まるため、健康保険と厚生年金合わせて月額約3万円程度(その半額は会社負担)に抑えられます。
切り替えタイミングと注意点
社保に切り替わると、国保の支払い義務はなくなりますが、切り替え月までは国保料が発生するため注意が必要です。
また、会社の社保に加入できるのは、一般的に「勤務開始日から14日以内」ですが、健康保険証の交付まではタイムラグがあるため、一時的に国保を継続する必要があるケースもあります。
保険料の差額はどのくらい?
国保と社保で保険料にどの程度差が出るのか、ざっくりと比較してみましょう。
条件 | 国保(2025年度) | 社保(月給20万) |
---|---|---|
年間保険料 | 約90万円 | 約36万円(会社負担含む) |
本人の実負担 | 約90万円 | 約18万円 |
このように、国保から社保に切り替えるだけで、実質70万円以上の差が生まれるケースもあります。
所得税や住民税への影響は?
今回の質問は保険料に関するものでしたが、所得税や住民税は依然として「前年の所得」に基づいて課税されるため、注意が必要です。
例えば、2024年に1000万円を稼いでいれば、2025年の住民税は高額になります。住民税は後払いのため、資金の備えをしておくことが重要です。
まとめ|社保への切り替えは大きな節約につながる
国民健康保険から社会保険に切り替わることで、保険料の負担は大きく軽減されます。特に前年に高収入だった人ほど、社保の恩恵は大きいです。
ただし、住民税や切り替え時の国保の精算など注意点も多いため、事前に保険料シミュレーターや市町村への確認を行い、適切に対策を取ることが大切です。
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