医師国保と国民健康保険は選べる?転職後の健康保険の切り替え義務と注意点を解説

国民健康保険

転職を機に「医師国保(医療従事者向けの国民健康保険組合)」に加入することになったけれど、「今のまま国民健康保険に残り続けることはできないの?」と迷っている方もいるのではないでしょうか。本記事では、国保と医師国保の制度の違いや、加入義務、手続き上の注意点などを解説します。

国民健康保険と医師国保はどう違う?

まず確認しておきたいのは、両者の立ち位置の違いです。

  • 国民健康保険: 市区町村が運営する、個人事業主・無職者などが加入する保険制度
  • 医師国保(国保組合): 医療関連業に従事する人向けの「職域型の国民健康保険」で、雇用形態に関わらず業界ごとに運営

医師国保も「国民健康保険の一種」ですが、制度運営が職域に特化しているのが特徴です。

医師国保に該当する職場で働くなら「加入は原則義務」

医師国保などの国民健康保険組合に加入資格がある職場で働き始めた場合、その保険に加入することが原則義務です。

これは「重複加入を防ぐ」「保険料徴収と給付の一体管理」を目的としており、市町村国保との併存はできません。つまり、医師国保に該当する職場で働く場合、国民健康保険には原則残れません。

なぜ今、国民健康保険の通知が届いているのか?

通知が届く理由として、次のようなケースが考えられます。

  • 転職前に無職期間があり、その間に国民健康保険に加入した
  • 退職から医師国保への加入手続き完了まで、空白期間が発生している
  • 市区町村へ医師国保加入の届け出がまだ反映されていない

たとえば、「5月に転職して医師国保に加入申請中だが、市役所にはまだ報告していない」場合、国民健康保険が継続扱いとなり通知が届くことがあります。

医師国保に加入する際に必要な手続き

医師国保に加入する場合は、以下のような流れになります。

  1. 新しい職場(医療機関など)で保険組合への加入申請を行う
  2. 加入証明書が発行されたら、市区町村役所で「国保脱退届」を提出
  3. 国民健康保険の保険証を返却し、不要な保険料の支払いを停止

医師国保への加入手続きは職場任せになりがちですが、市区町村への脱退手続きは本人が行う必要があるケースも多いため、要確認です。

残りたい場合は可能?制度上の結論

「国保の保険料が安いからそのままがいい」という気持ちは理解できますが、医師国保に加入できる資格がある限り、国民健康保険に任意で残ることは制度上認められていません。

もし国保を解約せずに医師国保に加入してしまうと、二重加入扱いとなり、後で市役所からの返還請求や過誤納処理が発生することがあります。

まとめ:医師国保加入資格があるなら市区町村国保からの切替は必須

医師国保が適用される職場で働き始めた場合、たとえ今の市区町村の国保保険料が安くても、そちらに残り続けることはできません。速やかに医師国保の加入手続きを行い、同時に国保の脱退も忘れずに進めましょう。

通知や納付書が届いても「何となくそのまま」にせず、職場と役所、双方に確認を取りながら正しい保険の切替手続きを行ってください。

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