障害者や遺族年金受給者など、一定の条件を満たす方が活用できる非課税制度「マル優」「特別マル優」。この記事では、両制度の違いや組み合わせ可能な上限額についてわかりやすく解説します。
マル優と特別マル優の基本的な違い
マル優(少額貯蓄非課税制度)は、銀行や信用金庫などの預貯金や郵便貯金が対象で、元本350万円までの利子が非課税になります。
特別マル優は、国債や地方債・政府保証債などの公社債が対象で、こちらも非課税限度額は元本350万円です。
両者は制度が別であり、対象となる金融商品が異なるため、併用が可能です。
併用した場合の非課税限度額は最大700万円
マル優で預金350万円、特別マル優で国債350万円を運用すれば、合計700万円までの利子が完全非課税となります。
つまり、次のような組み合わせはすべて制度上OKです。
- マル優(預金)350万 + 特別マル優(国債)350万=700万円非課税
- マル優(国債)350万 + 特別マル優(国債)350万=700万円非課税
一方で、マル優で預金700万円という使い方は制度上不可です。
マル優と特別マル優の対象者と申請方法
どちらの制度も対象者は原則として、身体障害者手帳(1級~3級)保持者、戦傷病者手帳保持者、遺族年金受給者などに限られます。
申請には、各金融機関ごとに「非課税貯蓄申告書」と「対象者証明書類の写し」を提出する必要があります。複数の銀行や証券会社で制度を使う場合、それぞれの機関で手続きが必要になります。
具体的な使い方の例
たとえば、Aさん(障害者手帳2級所持者)は、以下のように制度を活用しています。
- 地元信用金庫の定期預金(マル優)で350万円運用中
- 証券会社で国債(特別マル優)を350万円保有
この場合、年間利子合計が10万円だったとしても、課税されず満額受け取れるため、通常の税引き後よりも確実に手取りが増えます。
注意点と非課税制度の併用制限
マル優と特別マル優はそれぞれ別制度ですが、同じ名義で合算しても700万円を超えることはできません。また、制度の利用状況は税務署や国で管理されており、意図的な超過申告などは厳しく取り締まられます。
さらに、NISAやiDeCoとの重複は制度上問題ありませんが、非課税枠の重複利用ではないため、制度ごとに上限が適用されます。
まとめ:非課税の上限を正しく理解して最大限活用しよう
マル優と特別マル優を正しく併用すれば、預金と国債で最大700万円分の利子を非課税にすることができます。
ポイントは以下の3つ。
- それぞれの制度には元本350万円までの非課税枠がある
- 制度対象は異なるが、併用は可能
- 合計で700万円までは非課税で運用できる
資産運用をより効率的に行うためにも、制度の詳細を理解し、自分が対象かどうかを確認したうえで賢く活用していきましょう。
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