アルバイトなどで一定の収入がある大学生にとって、「勤労学生控除」は税負担を軽減できるお得な制度です。しかし、仕組みや申請方法が分からずに活用できていない人も多いのが現状です。この記事では、勤労学生控除の対象者や具体的な申請方法、申請時の注意点について、大学生にも分かりやすく解説します。
勤労学生控除とは?
勤労学生控除とは、勉学を続けながら収入を得ている学生に対して、所得税や住民税を軽減する制度です。年間27万円の所得控除を追加で受けることができます。
この控除により、年末調整や確定申告の際に所得税が少なくなる、または還付金を受け取れる可能性があります。学生が働きながら勉強をしていることを国が応援する制度といえます。
対象となる条件
勤労学生控除を受けるには、次の3つの要件すべてを満たす必要があります。
- 給与所得などの勤労による所得がある(アルバイトなど)
- 所得が控除後75万円以下(給与所得のみなら130万円以下)
- 学校教育法に定める学校に在学中(大学、専門学校、高校等)
例えば、大学に通いながらコンビニで週3日アルバイトをしている学生は、これらの要件を満たしていれば対象となります。
申請方法:年末調整と確定申告の違い
勤労学生控除は、年末調整または確定申告で申請することで適用されます。会社やアルバイト先が年末調整を行ってくれる場合は、次のように申請します。
- 扶養控除等(異動)申告書に「勤労学生」であることを記入
- 学生証のコピーなど、学生であることを証明できる書類を添付
もし年末調整がなかった場合(短期バイトなど)は、国税庁の確定申告書作成コーナーを利用し、自分で確定申告を行ってください。確定申告では、源泉徴収票や学生証の提出が必要です。
住民税にも控除がある?
勤労学生控除は所得税だけでなく、住民税の算定にも影響します。ただし、住民税の控除は市区町村によって対応が異なるため、詳しくは自治体の税務課に確認しましょう。
一部の自治体では自動的に判定されることもありますが、確定申告書に控除を記載しておくことで安心です。
控除を受けられないケースに注意
以下のような場合は、勤労学生控除の対象になりません。
- アルバイトではなく、事業所得(フリーランス)や投資収入のみ
- すでに退学している、または休学中
- 所得制限を超えている(給与所得で130万円超)
また、親の扶養控除との関係にも注意が必要です。自分の所得が多すぎると、親の税金に影響を与えることもあります。
まとめ:控除を活用して節税につなげよう
勤労学生控除は、一定の条件を満たす大学生が税負担を軽くするためにとても有効な制度です。年末調整または確定申告時に正しく申請することで、還付金を受け取れたり、納税額が減ったりする可能性があります。
収入や学籍の状況に応じて申請方法が変わるため、迷ったときは税務署やアルバイト先の担当者、または大学の学生課に相談することをおすすめします。
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