50代前半で退職し、しばらく仕事をせずに過ごすことを考えると、気になるのは生活に必要な固定費。特に「健康保険」「国民年金」「住民税」の3つは退職後に避けて通れません。本記事では年収480万円・勤続30年で退職した場合を想定し、これらの負担額を具体的に試算・解説します。
健康保険:任意継続か国民健康保険かで差が出る
退職後の健康保険には主に「任意継続(会社の健康保険を継続)」と「国民健康保険」の2択があります。
任意継続保険料の目安:
年収480万円・協会けんぽ加入なら、年額約30万〜40万円(月2.5万〜3.3万前後)になることが多いです。加入から2年間継続可能。
国民健康保険の目安:
自治体によって異なりますが、40代・年収480万円程度・扶養家族なしのケースで年額35万〜45万円ほどの負担になる可能性があります。
国民年金:一律負担が必要
退職後に第1号被保険者となる場合、国民年金の保険料を支払う必要があります。
2024年度の国民年金保険料:
月額16,980円、年額203,760円(毎年4月に改定あり)。
ただし、扶養家族が厚生年金加入中であれば第3号扱いになり免除される場合もあります。
住民税:前年所得に基づいて発生
住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、退職直後1年間は「前職の年収分」に基づいた住民税を支払う必要があります。
住民税の目安:
年収480万円で扶養なしなら、年額約25万〜30万円が一般的です。6月から翌年5月までに12回分割で支払います。
試算:退職後1年目にかかるコスト
退職後、1年間仕事をせずに過ごした場合の固定費を試算します(単身世帯を想定)。
項目 | 金額(目安) |
---|---|
健康保険(任意継続) | 約35万円 |
国民年金 | 約20万円 |
住民税 | 約28万円 |
合計 | 約83万円 |
このほか、年金・医療保険・家計支出などを含めれば、年間100万〜120万円程度の現金支出は想定しておいた方が安心です。
退職金と失業保険でどう備える?
勤続30年の退職金は企業規模によって異なりますが、目安として600〜1,200万円の範囲が多く見られます。退職金で2〜3年分の生活費を確保できれば、心にゆとりが持てます。
また、退職理由によっては失業手当も受け取れる可能性があります。50代前半であれば最大330日間給付(早期退職含む)など条件次第で手厚くなります。[参照]
まとめ:退職後に備えておきたい資金の目安
退職後、仕事をせずに過ごすには、健康保険・国民年金・住民税で年間80万円以上の出費を見込んでおく必要があります。
退職金で2年分程度の生活資金を確保し、失業給付の受給可能性を確認しておくと、計画的に「しばらく休む」生活が実現しやすくなります。
退職前に「住民税・任意継続・年金・退職金控除」の各制度をしっかり把握しておくことが、余裕あるセカンドライフの第一歩です。
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