遺族厚生年金の金額が想像より少ない理由とは?仕組みと計算方法を徹底解説

年金

遺族厚生年金は、遺されたご家族の生活を支える大切な制度ですが、「予想よりも金額が少ない」と感じる方も少なくありません。実際に、厚生年金を受給していた本人が月23万円受け取っていた場合でも、遺族が受け取る金額は大きく減少するケースがほとんどです。本記事では、遺族厚生年金の計算方法や支給額が少なく見える理由について、具体的な事例を交えてわかりやすく解説します。

遺族厚生年金の基本的な仕組みとは

遺族厚生年金は、亡くなった方が厚生年金に加入していた場合に、一定の遺族に支給される年金です。主に配偶者(特に妻)や子どもが対象となります。

支給される金額の目安は、亡くなった方の「老齢厚生年金の報酬比例部分」のおおよそ3/4程度とされますが、これは「理論値」であり、実際にはさまざまな控除や調整が加わります。

支給額が減る主な理由

よくある誤解として「夫が年金23万円なら、妻は17万円くらいもらえるのでは?」というものがありますが、これは正しくありません。遺族厚生年金の対象は、老齢厚生年金のうち「報酬比例部分」のみであり、「基礎年金」や「加給年金」などは含まれません。

たとえば、23万円のうち報酬比例部分が15万円であれば、その3/4の11万2500円が上限となります。そして、ここからさらに調整・控除が行われるため、実際の支給額はもっと下がります。

他の年金と併給される場合の調整(支給調整)

質問者のように、妻側にもご自身の老齢厚生年金がある場合、遺族厚生年金との「併給調整」が行われます。これは「年金の二重取り」を防ぐために導入された制度です。

つまり、ご本人の年金が年間20万円ある場合、遺族厚生年金の一部が減額される可能性があります。これにより、計算上では11万円もらえるはずだったのに、実際には7万9000円まで下がるというケースもあります。

年金額を確認するには?制度を理解して正しく把握

実際に受け取れる金額を把握するには、年金事務所で「年金見込額照会」や「遺族年金相談」を利用するのが確実です。特に、遺族年金は個々の事情で金額が大きく変わるため、ネットの情報だけでは誤解しやすいのが現実です。

また、過去の加入履歴や報酬額によっても左右されるため、必ず詳細を個別に確認することが重要です。

実際の支給例:よくあるケース

・夫の年金月額:23万円
・報酬比例部分:15万円(基礎年金等を除いた額)
・遺族厚生年金額:15万円 × 3/4 = 11万2500円(基準額)
・妻の老齢年金:1万円 → 併給調整により支給額が減額
・実際の支給額:7万9000円程度

このように、数字の上では不思議に見えても、制度としては理にかなっていることがわかります。

まとめ:遺族厚生年金は「3/4」では語れない

遺族厚生年金は、「3/4」という表現が独り歩きしがちですが、実際には基礎年金を除いた報酬比例部分のみが対象であり、他の年金との併給調整なども影響します。そのため、「3/4じゃない!」と驚くのも無理はありませんが、制度を正しく理解することで納得できる仕組みであることがわかります。

不明点がある場合は、最寄りの年金事務所へ相談し、納得いくまで確認することをおすすめします。

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