老齢基礎年金を繰り上げ受給すると損する理由と具体的な金額の目安

年金

老齢基礎年金を繰り上げて受給すると、通常の受給開始年齢よりも早く年金を受け取ることができますが、その分年金額が減額されるため、「損する」と言われています。では、具体的にどれくらい損をするのでしょうか?この記事では、繰り上げ受給のデメリットと、実際にどれほど金額が減るのかについて解説します。

繰り上げ受給とは?

繰り上げ受給とは、定められた受給開始年齢よりも前に年金を受け取る制度です。日本の老齢基礎年金は、原則として65歳から支給が始まりますが、繰り上げ受給を選択すると、60歳から受け取ることが可能になります。

繰り上げ受給をすることで、早期に年金を受け取ることができますが、その代わりに毎年一定の割合で年金額が減額されます。この減額は、繰り上げをする期間によって異なります。

繰り上げ受給の減額割合

繰り上げ受給をすると、年金額が毎月減額されます。具体的には、1ヶ月繰り上げるごとに年金額が0.5%減額されます。つまり、60歳で繰り上げ受給を開始した場合、65歳から受け取る年金額の30%が減額されることになります。

例えば、年金の満額が月10万円である場合、30%減額されると、月7万円となります。これにより、繰り上げ受給のリスクを理解したうえで、選択することが重要です。

繰り上げ受給の損失額の具体例

実際にどれくらい損をするのか、具体的な金額で見てみましょう。仮に年金の受給額が月10万円で、60歳から繰り上げ受給を始めた場合、年金額は30%減額され、月7万円となります。もしその後、65歳から受け取っていた場合の金額との差額は以下の通りです。

年齢 繰り上げ受給額 通常受給額 差額(年間)
60歳 7万円 10万円 36万円
65歳 10万円 10万円 0円

繰り上げ受給をすると、65歳までは年間36万円の損失となり、その後は通常の年金額が支給されます。つまり、早期に受け取ることで短期的には損をしますが、長期的に見ると損失額は減少します。

繰り上げ受給のメリットとデメリット

繰り上げ受給にはメリットもあります。例えば、早期に年金を受け取ることで、生活資金を早めに確保できる点や、長生きした場合に得られる総額が増える可能性がある点などです。特に、健康状態やライフプランに応じて、繰り上げ受給を選択することで、早期に生活の安定を図ることができます。

ただし、デメリットとしては、上記の通り、早期に受け取ることで年金額が減額される点が挙げられます。また、長生きした場合には、通常受け取る金額との差が長期的に影響する可能性もあるため、慎重に判断することが求められます。

繰り上げ受給を選択する際のポイント

繰り上げ受給を選ぶかどうかは、以下のようなポイントを考慮して決めることが重要です。

  • 健康状態: 長生きの可能性が高い場合、繰り上げ受給を選んだほうが長期的に有利な場合もあります。
  • 生活資金の必要性: 早期に年金を受け取りたい場合、繰り上げ受給は有効な手段です。
  • 年金額の減額割合: 繰り上げ受給をすると減額されることを考慮し、早期受給のメリットとデメリットをしっかりと比較することが重要です。

自分のライフプランに合わせて、繰り上げ受給を選ぶべきかどうかを慎重に判断しましょう。

まとめ: 繰り上げ受給を選ぶ際は慎重に

繰り上げ受給は、早期に年金を受け取ることができる一方で、年金額が減額されるというデメリットもあります。特に、毎年0.5%ずつ減額されるため、繰り上げる期間が長くなるほど損失額も大きくなります。

自分の健康状態や生活資金のニーズに応じて、繰り上げ受給の選択を行うことが大切です。早期受給のメリットとデメリットをしっかり理解し、自分にとって最適な選択をしましょう。

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