転職時の空白期間における健康保険と年金の取り扱いについては、正しい知識が必要です。特に退職と次の入社の間に数日間のブランクがある場合、国民健康保険や国民年金への加入義務が発生するケースもあります。この記事では、8月20日退職・9月1日入社のような例をもとに、必要な手続きや費用の目安を詳しく解説します。
退職から入社までの空白期間:保険と年金はどうなる?
会社を退職すると、その翌日から社会保険の資格喪失となり、次の勤務先で保険に加入するまでの間は無保険状態になります。この空白期間に対しては、原則として国民健康保険と国民年金への加入が必要です。
ただし、次の就職先に入社する日程や健康保険証の交付タイミングによっては、手続きが簡略化されるケースもあります。
国民健康保険は14日以内に手続きが必要
健康保険の空白期間が発生した場合、市区町村の窓口で14日以内に国民健康保険への加入手続きを行う必要があります。実際には、次の会社の保険証がすぐ発行されることが確定していれば、「加入しない」という選択をする人もいます。
ただし、その間に病気やケガをした場合、保険が適用されず全額自己負担となってしまうリスクがあるため、短期間であっても国民健康保険に加入しておくのが無難です。
14日以内だから加入しなくていいという考え方は誤りで、あくまでも「届け出の猶予期間が14日間ある」という意味にすぎません。
10日間の国民年金加入は必要?費用はいくら?
厚生年金の資格を喪失した翌日から国民年金への加入義務が発生します。8月20日に退職した場合、8月21日から8月31日までの11日間が対象となります。
国民年金保険料は月単位での支払いになるため、たとえ10日間しか空白がなくても、1ヶ月分の納付義務が発生します。2024年度の国民年金保険料は月額16,980円です。
ただし、収入が少ない人は「免除申請」や「納付猶予制度」を利用できる場合があります。申請は市区町村の年金課で行えます。
手続き漏れに注意!必要な届け出一覧
転職時には、保険と年金以外にもいくつかの手続きが必要になります。以下の点に注意しましょう。
- 退職時に「健康保険資格喪失証明書」を受け取る
- 国民健康保険への加入(または次の会社の保険証の確認)
- 国民年金への加入手続き
- 失業保険を申請する場合はハローワークでの手続き
なお、転職先での健康保険は、入社日当日から加入扱いとなりますが、保険証が手元に届くまでに1〜2週間かかる場合があるため、退職時に健康保険証のコピーを取っておくと万が一の際に役立ちます。
短期間の空白でも保険・年金手続きは大切
たった10日間だからといって何もせず放置してしまうと、後で未納扱いになったり、将来の年金額に影響が出る恐れもあります。保険証がない期間にケガや病気をした場合、治療費の全額自己負担という事態にもなりかねません。
たとえば、以前に「保険証が届く前だから大丈夫」と思っていた人が、交通事故で救急搬送され10万円以上の医療費を支払うことになった例もあります。空白期間が短くても、保険・年金の手続きはきちんと行いましょう。
まとめ:転職前後の空白期間にも要注意
退職と入社の間に空白期間がある場合、たとえ10日間でも、国民健康保険と国民年金への加入が原則必要です。健康保険は14日以内に手続きを行い、年金については1ヶ月分の保険料が発生します。
病気や将来の年金に備えるためにも、期間が短くても手続きを怠らないことが重要です。迷った場合は、お住まいの市区町村の窓口や年金事務所に相談しましょう。
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