月末退職から翌月初日入社というケースでは、社会保険料や厚生年金の支払いに疑問を持つ方が少なくありません。特に給与の締め日と支給日が異なる企業では、重複して支払うのでは?という不安も出てきます。この記事では、社会保険と年金の支払いがどのように処理されるのかをわかりやすく解説します。
社会保険料と厚生年金は「月単位」で徴収される
社会保険料と厚生年金保険料は、月単位で徴収される仕組みになっています。その月の1日でも在籍していれば、その月の保険料は全額徴収対象となります。
つまり、7月31日に退職し、8月1日に新しい職場へ就職した場合、7月は旧職場での保険料、8月は新職場での保険料が発生します。これにより「2重取り」のように見えるかもしれませんが、実際は月ごとに在籍していた会社で1回ずつ発生するため、重複しているわけではありません。
給与支給日と保険料の引かれるタイミングの関係
給与の締め日や支払日は、社会保険料の発生時期とは直接関係ありません。保険料は「その月に在籍していたかどうか」で決まるため、支払いタイミングと保険料の対象月がずれる場合があります。
たとえば、7月末で退職した場合、8月25日に支給される給与(7月分)には、7月の保険料が控除されます。同様に、新しい職場で8月分の給与が8月31日に支給されると、その給与からは8月の保険料が控除されます。
このケースで保険料が「2回分」になるのか?
質問のようなケースでは、たしかに8月の給与支給が2回ある形になりますが、それぞれが別の月の保険料に対応しているため「同じ月の保険料が2回引かれる」ことはありません。
- 旧職場の8月25日の給与:7月在籍分の保険料
- 新職場の8月31日の給与:8月在籍分の保険料
つまり、請求が重複することはなく、1ヶ月ごとの在籍状況に基づいて計算されるだけです。
実際の給与明細での確認ポイント
給与明細を確認する際は、以下の点に注意すると混乱が避けられます。
- 控除欄に記載されている「健康保険」「厚生年金」の金額
- 摘要欄などにある「対象月」の記載(ある場合)
- 退職後の給与に保険料が引かれているかどうか
一部企業では、保険料の徴収月と実際の在籍月が一致していない場合もあるため、退職後の給与が出た際には特に注意が必要です。
ケーススタディ:7月末退職・8月1日入社
ある会社員Cさんは、7月31日に退職し、8月1日から新しい会社に入社。旧職場は末締め翌月25日払い、新職場は月末締め当月末支払いという形でした。
この場合、8月25日の給与は7月分であり、7月分の保険料を控除。8月31日に新職場から支払われた給与からは、8月分の保険料が引かれており、保険料が2重に引かれることはありませんでした。
まとめ|退職・入社時の保険料は在籍月で判断される
社会保険料と厚生年金は、「その月に在籍していた会社」によって支払われるため、給与の締め日や支給日には関係ありません。
したがって、7月末に退職し8月1日から新しい会社に入社する場合、それぞれの会社で1ヶ月分ずつ保険料が引かれることになりますが、同月の保険料を2回支払うことにはなりません。給与明細をしっかりと確認し、必要であれば人事部や社会保険労務士に相談するのも良い方法です。
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