パート勤務をされている方にとって、年収の上限は非常に重要なポイントです。特に「130万円以内」という基準を超えてしまうと、社会保険への加入義務が発生する可能性があり、手取り収入や扶養関係に大きな影響を与えることも。本記事では、週30時間勤務で月収108,000円という条件における扶養範囲内の年収計算の考え方と注意点を解説します。
そもそも「130万円の壁」とは?
130万円の壁とは、健康保険や厚生年金といった「社会保険の扶養」に入れるかどうかの基準となる年収ラインです。これは所得税の扶養や住民税の非課税限度額とは異なり、社会保険制度における「被扶養者認定」の条件に関わります。
130万円を超えると、原則として自身で社会保険に加入する必要があります。これにより保険料が発生し、手取り額が減ることになるため、注意が必要です。
週30時間勤務は社会保険加入の対象になる?
「130万円以内」でも、週30時間以上勤務している場合は、以下のようなケースで強制的に社会保険加入の対象になる可能性があります。
- 勤務先の従業員数が501人以上
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収が88,000円以上
- 学生でない
つまり、たとえ年収130万円以内でも、これらの条件を満たしていれば「106万円の壁」に該当し、扶養から外れてしまう可能性があります。
月収108,000円で年収はいくらになるか?
月収108,000円で毎月同じ額を得たと仮定すると、年収は以下のように試算できます。
108,000円 × 12ヶ月 = 1,296,000円
この場合、確かに130万円以内ではありますが、ボーナスがあればオーバーする可能性もあります。さらに、年末調整時の手当や残業代も年収に含まれるため、実際にはもう少し余裕をもたせた方が安全です。
「130万円以内」にこだわるべきケースとそうでないケース
「130万円以内」で働くメリットは、夫(あるいは被保険者)の社会保険の扶養に入り、保険料の自己負担が不要であることです。ただし、以下のような場合は130万円を超えても得になることも。
- 自分で社会保険に加入した方が保障内容が手厚い
- 長期的に収入を安定させたい(正社員登用を視野に入れている)
- 厚生年金加入による将来の年金受給額アップを望む
そのため、ライフプランによってはあえて「壁」を超える選択も検討に値します。
実例:週30時間・月収108,000円で扶養内に収まる?
例えば、従業員数100人の中小企業で働いており、週30時間・月収108,000円という場合。
- 年収:約130万円
- 社会保険加入要件:501人未満の事業所であれば対象外
- 扶養内維持の可能性:あり
ただし、会社が厚生年金適用事業所かどうかや、勤務先の就業規則によっても変わるため、正確な判断は会社に確認が必要です。
まとめ:年収だけでなく「勤務条件」も確認を
「130万円以内」に収めれば扶養内でいられるとは限らず、週の労働時間や勤務先の規模など複合的な条件が関わってきます。今回のように週30時間・月収108,000円という勤務スタイルの場合は、社会保険加入義務の可能性があるため、勤務先の労務担当に必ず確認しておきましょう。
将来的に安定した働き方を目指す場合や、年金をしっかり受け取りたい場合には、あえて扶養を外れて自分で保険加入することも選択肢のひとつです。ぜひご自身のライフスタイルに合った働き方を選んでください。
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