iDeCo(個人型確定拠出年金)は、退職後の生活資金を準備するための有効な手段として注目されています。しかし、iDeCoの受け取り方法や税金に関するルールは少し複雑です。特に、60歳で一時金として受け取る場合や、65歳まで延長する場合など、税金の取り扱いが異なるため、理解しておくことが大切です。
1. iDeCoを60歳で受け取る場合の税金
iDeCoを60歳で受け取る際、一時金として受け取る場合、退職金と合わせてどのように税金がかかるのか気になるところです。例えば、退職金が200万円の場合、iDeCoの一時金が276万円であれば、合計で476万円になります。
この場合、退職所得控除が適用されますが、控除額が400万円を超えない場合、残りの金額が所得税の対象となります。具体的には、残りの76万円を2で割った額、すなわち38万円が課税対象となります。この金額に、その年に受け取った給与所得を加算し、合計金額に対して所得税が課せられます。
2. iDeCoを65歳まで延長した場合の税制
iDeCoの支払いを65歳まで延長した場合、60歳で受け取る退職金に関しては退職所得控除を受けることができますが、iDeCoを65歳で受け取る場合、税制が異なります。
65歳でiDeCoの一時金を受け取る場合、その年に受け取る金額(たとえば414万円)のうち、退職所得控除が適用される年から10年未満の場合は、退職所得控除を受けることができません。つまり、414万円の半分(207万円)が課税対象となり、その年に受け取った給与所得や公的年金(雑所得)と合わせて、所得税が計算されます。
3. 60歳でiDeCoを部分的に受け取る場合の税金
60歳でiDeCoの一時金を受け取り、残りの金額を分割で受け取る方法もあります。たとえば、60歳で一時金としてiDeCoの400万円を超えない範囲で受け取り、その後、残りの金額を5年間で分割して受け取る場合、税金がどのようにかかるのでしょうか。
この場合、60歳で受け取る金額が退職所得控除の範囲内であれば、税金がかからない可能性があります。しかし、残りの金額を分割で受け取る際、その年に受け取る額によっては、所得税がかかる場合があります。税金がかかるかどうかは、受け取る金額の合計とその年の所得に依存します。
4. iDeCo延長による税金の計算方法
iDeCoの支払いを延長した場合、60歳で一時金を受け取るか、65歳で受け取るかによって税金の計算方法が異なります。特に、年末調整や控除目的でiDeCoを活用している場合、延長するかどうかの決定が重要です。
定期預金タイプで年末調整の控除を目的にしている場合でも、税金がかかる可能性があります。iDeCoの一時金を60歳で受け取る場合、退職所得控除を超える部分に税金がかかるため、その年に支払う税金の額をよく理解した上で、最適な受け取り方法を選ぶことが大切です。
5. まとめ
iDeCoの受け取り方や税金については、受け取る年齢や金額、退職金との関係によって税制が異なります。60歳で一時金を受け取る場合、退職所得控除を利用することができ、税金が軽減される場合がありますが、受け取る金額が多い場合は注意が必要です。
また、iDeCoを延長して65歳で受け取る場合は、退職所得控除を受けられない年から10年経過していないと税金がかかる場合があります。税制を理解し、最適なタイミングで受け取るようにしましょう。
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