これまで生活保護を受給していた人が一般生活に戻った際、医療保険の手続きで戸惑うことが少なくありません。特に「紙の保険証の廃止」と「マイナ保険証の利用促進」によって、従来と異なる手続きが求められるケースも増えています。この記事では、生活保護から一般生活へ戻った方の医療保険への再加入や、マイナ保険証を希望しない場合の対応について詳しく解説します。
生活保護受給中は保険証が交付されない理由
生活保護を受給している間は、医療扶助という制度により、自治体が医療費を負担します。そのため、原則として国民健康保険などの保険制度には加入しません。
医療機関には「生活保護受給証明書」や「医療券」などを提示することで診療を受ける仕組みとなっており、一般の健康保険証は不要です。
保護廃止後は保険への再加入が必要
生活保護を廃止して一般生活へ戻る場合は、医療扶助も終了するため、何らかの公的医療保険制度に加入する必要があります。多くの場合、退職者や無職者であれば、住民票のある市区町村で国民健康保険に加入することになります。
この際、マイナンバーカードによる健康保険証(マイナ保険証)を使いたくないという方は、「資格確認証」の発行を選択することが可能です。
マイナ保険証が義務ではない場合の選択肢
現在、原則として保険証はマイナンバーカードに一本化されつつありますが、マイナ保険証の利用は義務ではありません。拒否する場合は「資格確認証」の発行を申請することができます。
ただし、資格確認証は医療機関によっては利用に制限がある場合や、窓口で10割負担を求められ、後日還付手続きが必要になることもあります。
資格確認証の発行手続き
資格確認証を希望する場合は、以下のような流れになります。
- 居住地の市区町村役場の保険年金課等にて申請
- マイナ保険証を利用しない理由の確認(任意で拒否可能)
- 発行には数日~1週間程度かかることもある
原則として保険料の納付状況も確認されますが、納付義務が生じていない場合でも申請は可能です。
制度変更に備える意識も重要
今後はマイナ保険証の利用がさらに拡大される見込みのため、制度が大きく変わる可能性も視野に入れておくことが重要です。
現状では資格確認証の発行は認められていますが、利便性や医療機関での扱いを考慮すると、マイナ保険証の検討も選択肢に入れておくとよいでしょう。
まとめ:元生活保護受給者でも資格確認証は発行可能
生活保護を廃止して一般生活に戻った場合、マイナ保険証を望まない方でも、これまで通り資格確認証の発行は可能です。保険への加入手続きとあわせて、自身の意向に沿った形で対応していきましょう。
不安な場合は市区町村の窓口や、社会保険労務士などの専門家に相談するのもおすすめです。
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