障害年金を受給しながら働く方は年々増えており、「就労が理由で障害年金が止まるのか?」「年金を返さなければならないのか?」という不安の声もよく聞かれます。実際、障害者雇用で働くことが障害年金の受給にどのような影響を与えるのかを知っておくことは重要です。本記事では、障害年金と就労収入との関係について、制度の仕組みや注意点、そして万一の支給停止・返還の可能性までをわかりやすく解説します。
障害年金と就労は両立できるのか?
結論からいえば、障害年金は働いていても受給できます。ただし、就労の状況が「障害の状態」と照らして大きく改善していると判断されると、更新時に支給停止になる可能性があります。特に重要なのは、単に「働いているかどうか」よりも「どの程度働けているか」「日常生活にどのくらい支障があるか」が審査のポイントです。
たとえば、週3日・短時間・軽作業・配慮ありといった勤務であれば、支給が継続される例が多く見られます。
13万円の収入で支給停止になる可能性は?
障害年金の支給停止は、収入金額そのものではなく、就労による活動内容が重視されます。月13万円の給与であっても、働く時間や仕事内容、職場での配慮の有無によっては支給継続となる場合もあります。
実例:障害厚生年金2級の方が障害者雇用で月13万円の勤務→生活に支障があり、職場で就労支援員の付き添いあり→更新で支給継続。
一方、業務に制限がほとんどなくフルタイム勤務をしていると、障害状態が「軽くなった」とみなされ、支給停止となるケースもあります。
支給停止=返還しないといけない?
障害年金の更新で支給停止になったとしても、原則として過去に受け取った年金を返す必要はありません。ただし、以下のような場合には返還(返納)を求められることがあります。
- 虚偽の申告をして年金を受け取っていた
- 就労や収入を意図的に隠していた
- 不正に年金を受け取ったと判断された
誤りや勘違いによる就労の届け出漏れなどでは、通常は返還まで求められることは稀です。とはいえ、就労の状況は正確に年金機構へ届け出ておくことが非常に大切です。
更新審査を受ける際のポイント
障害年金には定期的な更新審査があり、主治医の診断書が重要な判断材料となります。診断書では、働いているか否か、どのような配慮があるか、生活能力がどうかなどが問われます。
働いていることを理由に診断書に「改善傾向」と書かれてしまうと、支給停止のリスクが高まります。医師に対して、日常生活や就労の実態を正確に伝えることが大切です。
たとえば「週3回4時間勤務」「職場の理解があり、休憩や早退が可能」「支援者のサポートがある」など、就労継続に必要な支援状況を診断書に反映してもらいましょう。
まとめ:働くことと年金は両立できる。正確な申告がカギ
障害年金は「働いているから受給できない」という単純な仕組みではありません。13万円程度の収入でも、障害の状態に応じた働き方であれば、支給継続は十分可能です。
また、更新で支給停止になっても、過去の年金を返さなければならないケースは極めて限定的です。重要なのは、就労の実態を正確に届け出ること、主治医に日常生活の支障をしっかり伝えること。働きながら安心して年金を受給するためには、正しい情報と適切な対応が欠かせません。
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