2026年10月から予定されている社会保険の適用拡大により、パート・アルバイト労働者にとって「週20時間労働」が大きな関心事となっています。しかし、「月87時間未満なら加入義務がない」といった情報がネット上には流れており、混乱を招いているのも事実です。この記事では、このような誤解を解消し、制度の正しい理解をサポートします。
2026年の社会保険加入義務の拡大とは？
現在、企業規模が101人以上の事業所では、一定の条件を満たすパート・アルバイトに社会保険（健康保険・厚生年金）加入が義務付けられていますが、2026年10月からは従業員数が51人以上の企業に対象が広がります。
対象となる条件のひとつが「週20時間以上の労働」。つまり、労働契約が週20時間以上であれば、原則として加入が必要です。
月87時間未満なら加入しなくていい？その噂の真相
「月87時間未満なら大丈夫」との情報がありますが、これは一部正しく、一部誤解です。社会保険の加入判定は月ごとではなく、週ごとの契約時間が基準です。
たとえば、週5日・1日4時間（週20時間）働いている場合、たとえ月合計が84時間でも、「週20時間以上」の条件を満たしているため、加入が必要になる可能性が高いのです。
社会保険加入のその他の要件も押さえよう
以下の5要件すべてを満たす場合、社会保険の加入義務が発生します。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上
- 雇用期間が2か月を超える見込み
- 学生でない
- 勤務先が対象事業所（2026年以降は51人以上）
つまり、「月84時間」でも「週20時間以上」であれば他の条件と合致すれば原則加入義務ありということになります。
実例で見る：あなたのケースは加入義務がある？
例1：Aさんは週5日、1日4時間働くパート。月84時間程度で、勤務先は2026年に対象となる規模。→加入義務ありの可能性が高い。
例2：Bさんは週4日、1日4時間（週16時間）勤務。月64時間程度。→週20時間未満のため加入義務なし。
社会保険に加入するメリットとデメリット
メリット：
・将来の年金額が増える
・健康保険の給付（傷病手当金・出産手当金）が受けられる
・扶養を外れても自分の保障が持てる
デメリット：
・保険料の自己負担が発生する（会社と折半）
・手取りが減る可能性がある
まとめ：制度の本質を正しく理解して備えよう
2026年からの社会保険適用拡大において、「月84時間だから大丈夫」とは限りません。制度の基準はあくまで「週20時間」であり、その他の要件と合わせて総合的に判断されます。今の働き方がどのように影響するかを正しく把握し、必要であれば雇用主や社会保険事務所に相談しましょう。
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