家族の保険加入は、収入や扶養関係、働き方によって大きく変わるものです。特にパート勤務をしている主婦が「社保(社会保険)」に加入すべきか、また子どもたちをどちらの保険に入れるべきかという判断は悩ましいもの。この記事では、国民健康保険と社会保険の違いや、家計にとって得となる選択について具体的に解説します。
社会保険と国民健康保険の基本的な違い
社会保険(健康保険・厚生年金)は会社が半分保険料を負担してくれるのに対し、国民健康保険は保険料全額を自己負担します。この違いが、世帯単位で見ると大きな差につながります。
たとえば、国保では世帯全員の収入に応じて保険料が決まり、子どもも被保険者として保険料が発生します。一方、社会保険では扶養家族(配偶者・子ども)は保険料がかからず、手続きさえすれば無料で加入できます。
年収130万円の壁と社保加入の条件
パートで働く主婦が社保に入るには、一定の条件を満たす必要があります。代表的なのが「年収130万円以上」で、勤務先が適用事業所であることや、勤務時間がフルタイムの3/4以上などの条件も加味されます。
ただし、勤務先が「501人以上の企業」や「社保適用拡大対象企業」の場合、年収106万円以上でも社保に加入できるケースがあります。自分の職場が該当するかどうかを確認することが大切です。
子どもを社保の扶養に入れた場合のメリット
社会保険では、子どもを扶養に入れることで保険料の負担がなくなります。国保では、子ども1人あたりの保険料が加算されるため、たとえば家族4人分の国保保険料が年間50万円以上になる家庭もあります。
そのため、妻が社保に加入し、子どもを扶養に入れることで、世帯全体の保険料を抑えられるケースは多いです。特に夫が自営業や非正規で国保加入の場合、この切り替えは大きな節約効果をもたらします。
社保に入ると他の控除に影響はある?
「夫の扶養から外れることで損するのでは?」という疑問はよく聞かれます。確かに、妻が社保に加入すると「配偶者控除」や「配偶者特別控除」などが制限される場合があります。
ただし、年収130万円を超えると、そもそも夫の税制上の扶養からも外れるため、その段階で社保に入る方が合理的です。社保の加入には「厚生年金」もセットになるため、将来的な年金額アップにもつながります。
社保に加入しない方がよい場合とは?
一方で、年間120万円程度の収入で社保に入ると、保険料負担が重くなる可能性もあります。勤務時間が少なく、週20時間以下、かつ短期的な就労であれば、国保+扶養の方が得になる場合も。
特に社保保険料は月額1万5千円〜2万円前後になるため、勤務時間や年収と照らし合わせてシミュレーションするのが重要です。迷ったら会社の労務担当やFP(ファイナンシャルプランナー)に相談しましょう。
まとめ:家庭の状況に応じた選択が大切
国民健康保険と社会保険のどちらが得かは、世帯の構成、働き方、年収、扶養状況によって異なります。年収130万円未満なら夫の扶養に留まる、130万円を超えるなら社保に加入して子どもを扶養に入れる、というのが基本の考え方です。
一人で判断が難しい場合は、市区町村の保険窓口や税務相談、社会保険労務士への無料相談などを活用し、自分たちにとって最適な選択をしましょう。
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