仮想通貨のステーキングで得た報酬が増えてくると、気になるのが税金です。特に「年20万円以内なら申告不要」と聞いて安心している方も多いですが、実際には細かい条件や注意点があります。本記事では、会社員が仮想通貨ステーキング報酬を受け取った場合の税務上の扱い、20万円の基準、2重課税の仕組みについて解説します。
仮想通貨ステーキング報酬の課税タイミングとは?
仮想通貨ステーキングで得た報酬は「雑所得」に分類され、原則として「受け取った時点の時価」で課税されます。たとえば、2025年1月にADAを10枚、時価500円で受け取った場合は、5000円が雑所得として計上されます。
その後、受け取った通貨を売却した際に得た利益(売却価格と取得価格の差額)は、再度雑所得として課税対象になります。これが「2重課税」と誤解されやすいポイントです。実際にはそれぞれ別の経済的利益に対する課税です。
20万円以内の所得なら申告不要になる条件
会社員で副業をしておらず、年末調整がされている場合、雑所得の年間合計が20万円以下であれば確定申告は不要です(住民税の申告義務は別途あります)。この20万円の枠には、仮想通貨による利益だけでなく、ポイント収入、アンケート報酬なども含まれます。
ただし、年間の区切りは「1月1日~12月31日」であるため、年をまたいだ収入は合算されず、各年ごとに集計されます。
年をまたぐ場合のステーキング報酬の扱い
仮に2024年にステーキング報酬が15万円、2025年に10万円だったとしても、それぞれの年で判断されます。各年の雑所得が20万円を超えていなければ、確定申告は不要です。
重要なのは、報酬の「付与日」や「受取日」をきちんと記録し、どの年に属する所得なのかを明確にすることです。仮想通貨取引所のステーキング履歴を定期的にダウンロードしておきましょう。
2重課税を避けるには「取得価格」の記録が必須
報酬として受け取った仮想通貨を後日売却した場合、その際に計上される利益は、受取時の時価を「取得価格」として計算します。たとえば、報酬として1ETH(受取時価25万円)をもらい、半年後に40万円で売却した場合、差額の15万円が課税対象です。
このように、最初に報酬として得た時に課税されていることを考慮して、再度売却時の利益分のみが対象になるため、「2重課税」ではありません。ただし、受取時点の時価を正確に記録しておかないと、過剰に税金を支払ってしまう可能性もあるため注意が必要です。
住民税の申告は別途必要な場合も
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になるケースがあります。特に、仮想通貨のステーキング報酬が年間20万円未満で申告しない場合でも、お住まいの市区町村によっては住民税の申告を求められることがあるため、念のため確認しておきましょう。
まとめ:年をまたいでも年ごとに20万円で判断
仮想通貨のステーキング報酬については、年ごとに雑所得が20万円以下であれば、会社員で副業をしていない方は基本的に確定申告不要です。ただし、2重課税とならないよう、受取時点の時価を明確に記録し、売却時の利益計算にも正確な管理が求められます。
税務署や税理士への相談、ステーキング履歴の整理も重要なステップです。不明点がある場合は、なるべく早めに専門家に相談することをおすすめします。
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