プロレスラーやボクサーのケガは労災対象?試合中の負傷に適用される保険制度とは

保険

プロレスラーやプロボクサーといった格闘技に従事する選手たちは、日常的に身体への高いリスクを伴う仕事をしています。では、試合中や練習中に負ったケガはどのような保険でカバーされるのでしょうか?本記事では、労災保険、健康保険、自費診療の可能性についてわかりやすく解説します。

プロレスラー・ボクサーは労災保険の対象になるのか?

まず基本として、労災保険は「雇用されている労働者」が対象です。会社や団体と雇用契約を結んでおり、労働者として扱われていれば、仕事中のケガは原則として労災保険の対象になります。

しかし、多くのプロレスラーやボクサーはフリーランス(個人事業主)として活動しているため、原則として労災保険の適用外です。団体に所属していても、明確な雇用契約がなければ労災申請は難しいのが実情です。

興行団体によって異なる補償体制

一部の大手団体やジムでは、団体独自に傷害保険を整備しているケースがあります。これにより試合中のケガが一定額まで補償されることもありますが、補償額が少ない・自己負担が発生する場合も少なくありません。

たとえばあるプロレス団体では、年間3万円の保険料を団体が負担し、1事故あたりの補償限度額は50万円。通院は1日2,000円まで、手術には上限10万円といった制限があるという実例もあります。

健康保険が使えるケースと注意点

フリーランスの選手が個人で国民健康保険や社会保険に加入している場合は、健康保険を使って医療費の一部負担で治療を受けることは可能です。

ただし、健康保険は「業務上の事故」には原則として使えないため、興行中のケガが業務と認定されると保険給付が制限される可能性があります。実際の運用では、診察時に「どういう場面で負傷したか」を問われ、場合によっては保険の使用を断られることもあります。

自費診療になるケースとは

保険が使えない場合や補償の対象外となるケースでは、自己負担での治療(自費診療)が必要になります。高額な手術や長期のリハビリなどが必要な場合、数十万円から百万円単位の医療費がかかることもあります。

そのため、多くの選手は民間の医療保険や傷害保険に加入して、個人でリスクに備えています。興行団体からの補償が不十分であることを前提に、自ら保険加入しておくことはリスクマネジメントの観点から重要です。

補償を確実に受けるためのポイント

  • 所属団体と契約書を交わしているか確認する
  • 団体が独自の保険制度を導入しているか把握する
  • 個人で医療保険・傷害保険に加入しておく
  • けがの状況や経緯を診察時に正確に伝える

こうした備えをしておくことで、ケガの治療やリハビリ中の収入減少にも対応しやすくなります。

まとめ:選手自身が保険への備えを

プロレスラーやボクサーのような競技者にとって、ケガは職業上のリスクのひとつです。しかし多くの場合、労災保険の対象外であり、健康保険や民間保険、自費診療が選択肢となる現実があります。

自身の競技スタイルや所属状況をふまえて、最適な保険対策を講じておくことが、安心して競技に打ち込むための第一歩となります。

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