「20年後、家族の中で一番資産を持っているのは誰か？」これは意外と現実的で、老後設計や相続、資産形成を考えるうえで重要なテーマです。この記事では、ある家族構成を例にとり、年齢・収入・投資スタイル・生活費などから推測して、将来どのような資産差が生まれるのかを予測してみます。
家族構成と現状の資産背景
登場人物は5人。パッパ（75歳）は年収1,200万円で、半世紀にわたり国内株投資を続けてきた富裕層。マッマ（70歳）は年収200万円で貯蓄重視の準富裕層。姉（45歳）は年収550万円で積立投資を開始したばかりのアッパーマス層。妹（40歳）は年収400万円、貯蓄のみのマス層。全員独身で実家はローン完済済。
特筆すべきは「生活費負担の有無」と「投資への態度」で、これが20年後の資産形成に大きな影響を与えます。
パッパ：投資歴50年の富裕層が抱える課題
年金と配当で1,200万円を得ており、長年の投資実績からすでに1億円以上の資産があると推測されます。しかし、介護中の母（98歳）や自分の老後・介護費が今後重くのしかかってくる可能性も高く、支出リスクは小さくありません。
それでも資産の伸びは限られるものの、安定した配当や長年のストックで、亡くなる時点でも数千万円単位の遺産を残す可能性が高いです。
マッマ：堅実な貯蓄派の資産は伸びにくい
投資を拒否しているため、インフレの影響を大きく受けます。年収200万円（年金のみ）でも生活費が抑えられていれば老後破産のリスクは少ないですが、資産は実質目減りしていく傾向に。
貯蓄だけでの資産成長は限定的なため、相続の対象にはなるものの、大きな伸びは見込めません。
姉：新NISAで積立スタート、20年後が期待される急成長株
年収550万円のうち月10万円を新NISAで積立しており、仮に年利5％で20年続ければ、約4,000万円まで成長する見込みがあります。生活費や家賃を自分で賄っていても、将来は準富裕層または富裕層入りが期待されます。
積立継続が鍵ですが、唯一インフレを味方につけており、20年後には家族の中で最も資産が伸びる可能性が高い存在です。
妹：支出ゼロの利点と貯蓄信者の限界
実家暮らしで生活費ゼロのため、貯蓄率は高いです。年収400万円を全額自分のために使えるというのは非常に大きいアドバンテージです。仮に月20万円を貯蓄していれば、年間240万円×20年＝4,800万円の現金資産を得ることも可能です。
しかし投資をしていない分、資産は増えません。老後のインフレ耐性に乏しいため、表面的な額面より実質価値は下がる可能性があります。
20年後の予測：誰が最も資産を持つか？
- 姉：投資による資産成長が見込め、最も資産を保有している可能性が高い（4,000万円＋その他資産）
- 妹：生活費ゼロで貯蓄力が高く、金額では姉と拮抗するが実質価値ではやや劣る（4,800万円程度）
- パッパ：現時点では圧倒的だが、今後の介護・医療費で資産が減る可能性（3,000万〜6,000万円）
- マッマ：堅実な貯蓄は維持されるが、資産成長の要素が少ない（1,000万〜2,000万円）
※遺産の相続や税制・家族関係によって変動要素あり。
まとめ：資産の鍵は「投資＋生活コスト管理」
最終的に20年後、最も資産を持つ可能性が高いのは「投資を続ける姉」または「生活費ゼロの妹」です。ただし、インフレや老後の支出、相続の状況によって結果は大きく左右されます。
資産形成において重要なのは、「長期的な視点での投資」「支出の最適化」「リスク管理」の3点です。今後の生活設計に役立てるためにも、各要素を見直してみることが大切です。
コメント