40代の銀行預金額のリアル：平均200万円台は本当か？統計データで読み解く資産の実態

「40代の平均貯金額は200万円台って本当？」と驚く声が多く聞かれますが、これは決して珍しいことではありません。銀行口座に限った預貯金のデータには、年収・家族構成・生活環境など様々な要素が影響します。本記事では、40代の銀行預金額について最新の統計と実情をもとに解説します。

金融広報中央委員会のデータに見る預金額の平均

金融広報中央委員会が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査（2024年版）」によると、40代の二人以上世帯の金融資産保有額の平均は約678万円。ただし、これは株や保険なども含む金融資産全体の金額です。

一方、銀行預金（普通預金・定期預金など）のみで見ると、中央値で200万円台〜300万円未満となるケースが多く、統計的には「40代の銀行預金平均が200万円台」という表現はある程度の現実味があります。

「平均値」は一部の高額預金者が数字を押し上げる傾向があります。そのため、実感に近いのは中央値（全体のちょうど真ん中の値）であり、中央値で200万円前後というのは、感覚的にも納得できる数字です。

特に、住宅ローンや子育てなど支出の多い世代である40代では、貯蓄をする余力が限られる家庭も多く、現実的な数値といえるでしょう。

40代はライフイベントが重なる時期。住宅購入、教育費、車の買い替え、親の介護など、出費が多いため、預貯金が思うように増えないのは自然なことです。

さらに、銀行口座を複数持っていても、「生活費用」「自動引き落とし用」など用途が分かれているため、各口座の残高が分散してしまい、「全体で見ても預金が多くない」と感じやすくなります。

現代では、現金以外に「iDeCo」や「つみたてNISA」などの投資で資産を形成している人も多くいます。これらの金融商品に資金を回している場合、銀行口座にあるお金が少ない＝資産が少ないとは限りません。

また、企業型確定拠出年金や持株制度など、職場での資産形成制度を利用している場合も、銀行預金額には反映されません。

貯金額に不安を感じた場合、まずは支出の見直しや家計簿アプリの活用、目的別に貯金を分ける仕組み作りなど、日常の中でできる改善策から取り入れてみましょう。

また、定期預金の活用やネット銀行の自動積立機能を使えば、意識せずに資産形成が可能になります。

40代の銀行預金額が200万円台というのは、統計的にも十分ありえる数値です。周囲と比べて焦るのではなく、自分のライフプランや将来設計に合わせて、預金や投資を計画的に進めていくことが重要です。

不安を感じた今こそ、お金の見直しを始めるチャンス。まずは「貯金の仕組み化」からスタートしてみてはいかがでしょうか。