社会保険料の会社負担と従業員負担の違いとは？仕組みと例外を詳しく解説

社会保険料の支払いは、企業にとっても従業員にとっても重要なコスト項目のひとつです。一般的には会社と従業員が折半する仕組みですが、「会社負担のほうが多いことがあるのか？」という疑問を持つ人も少なくありません。本記事ではその仕組みや例外について詳しく解説します。

社会保険料の基本的な負担割合

厚生年金保険や健康保険などの社会保険料は、原則として会社と従業員が「ほぼ半分ずつ」負担することが法令で定められています。

例えば2024年現在の厚生年金保険料率は18.3％程度であり、そのうち会社が9.15％、従業員も9.15％を負担します。ただし、小数点以下の丸め処理などにより、1円程度の差が出ることはあります。

特定のケースでは、会社側が意図的に従業員より多くの保険料を負担している場合もあります。

たとえば福利厚生の一環として、企業が健康保険の任意給付や介護保険料の一部を追加で負担しているケースです。中小企業などでは「実質的に会社側が多めに出す」という方針をとることも珍しくありません。

賞与にかかる社会保険料も、会社と従業員が折半しますが、端数処理の方法によっては会社負担のほうが1円～数円程度多くなることがあります。

この差はあくまで計算上の微細なものですが、給与明細を細かくチェックすると、時折気付くことがあるでしょう。

社会保険制度の根幹として、「事業主と労働者が等しく負担する」という原則は厳格に適用されています。したがって、一方的に従業員の負担割合を高めることは法律違反となります。

そのため、もし会社側の負担が多くなっている場合は、基本的には合法であるか、福利厚生の一環として会社が自主的に支出しているケースが考えられます。

保険料の支払いに関する不安や疑問がある場合は、まずは給与明細や社会保険料の控除一覧を確認し、必要があれば会社の総務・人事に問い合わせましょう。

また、社会保険労務士など専門家に相談することで、公平性の確認やアドバイスを受けることも可能です。

社会保険料の仕組みは原則「会社と従業員が折半」となっていますが、制度上の処理や福利厚生の観点から、会社が多めに負担することもあります。不安な点があれば契約書や保険料通知、給与明細を確認し、必要に応じて人事部門や社労士へ相談することをおすすめします。