変額保険はリスクも味方にできる?運用利率シミュレーションと老後資金対策の考え方

生命保険

死亡保障と老後資金の準備を同時に考えたいときに、変額保険はひとつの選択肢となります。ただし、投資信託と同様に運用リスクがあるため、提示される運用利率シミュレーション(-3%、0%、3%、6%など)をどう捉えるかが重要です。この記事では、変額保険における利率シナリオの見方と、リスクを踏まえた上での判断材料をわかりやすく解説します。

変額保険とは?基本の仕組みと目的を整理

変額保険は、保険料の一部が株式や債券などで運用されるタイプの生命保険です。死亡保障が確保される一方、運用成績によって将来の解約返戻金や年金原資の額が増減します。

保険としての保障機能を残しながら、老後資金の積み立てをしたい人にとって「保険+投資」のハイブリッド型商品として注目されています。ただし、元本保証はないため、運用リスクを理解して加入する必要があります。

運用利率のシナリオ:0%前提が基本とされる理由

保険会社が提供する資料には、-3%、0%、3%、6%など複数の利率で将来予測が提示されます。その中でも0%が現実的な前提として用いられることが多いのは、リスクに備えた慎重な判断を促すためです。

実際に年利6%で10年以上の運用を継続できれば魅力的な結果になりますが、それは理想的なシナリオです。確実な資金計画を立てるには、0%またはそれ以下のマイナス成長も視野に入れておくべきでしょう。

-3%や0%運用だった場合のリスクと現実

たとえば、300万円を10年間運用し、毎月の支払いとともにマイナス利率で推移した場合、解約返戻金が元本割れになるケースもあります。マイナス3%での長期運用では、元本の7割程度しか戻らない可能性も。

また、0%シナリオでは大きな増加は見込めませんが、保険料のうち一定額が保障に使われるため「保険料を払っている」こと自体が保障の対価となっている点も理解が必要です。

6%の利率が続くとどうなる?メリットと注意点

仮に6%で10年以上運用が継続された場合、将来的な返戻金は大きく膨らみます。インフレに対抗できる運用成果も期待でき、老後資金として有利に働く可能性も高くなります。

ただし、このような好成績が将来も続く保証はないため、6%前提で老後資金を計画するのはリスクが高くなります。楽観的な見通しだけで判断するのではなく、「うまくいけばラッキー」という程度に考えるのが現実的です。

保険と資産運用は分けて考えるという選択肢も

変額保険は確かに保険と運用が一体となった商品ですが、死亡保障は掛け捨て保険で確保し、運用はNISAやiDeCoで行うといった方法もあります。こうすることで、保険料と投資額を自由に調整でき、より柔軟な資産形成が可能になります。

特に投資初心者の方や、利率の変動が心配な方には、「保障は保障、運用は運用」と割り切った資産設計も検討する価値があります。

まとめ:変額保険の加入は「最悪のケース」から判断を

変額保険に加入する際は、6%ではなく、0%かそれ以下を前提に計画を立てることが大切です。高い利回りを前提に生活設計をすると、思わぬ資金不足に陥る可能性があります。

その一方で、リスクを理解したうえで分散投資の一環として変額保険を利用することには一定の合理性もあります。加入を迷っている場合は、NISAやiDeCoなどとの比較をしながら、信頼できるファイナンシャルプランナーと相談することをおすすめします。

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